環境因子の曝露に対する防御応答における細胞外リン脂質代謝の役割
【研究キーワード】
脂質メディエーター / ホスホリパーゼA2 / アレルギー / 皮膚疾患 / マスト細胞 / リン脂質代謝 / アトピー性皮膚炎 / 皮膚バリア / 脂質代謝 / リゾリン脂質 / 脂質 / 皮膚 / 生理活性脂質
【研究成果の概要】
細胞外リン脂質代謝を担う分泌性ホスホリパーゼA2の新機能を解明することで、皮膚の恒常性からバリア破綻、アレルギー病態の形成や慢性化に至るまでの過程に関わる脂質代謝の意義を明らかとした。①表皮角化細胞から分泌されるPLA2G3は、不飽和脂肪酸経路（PGE2及びPGF2α）を通じて皮膚バリアの恒常性に関わり、アトピー性皮膚炎やアトピーマーチを抑制すること、②PLA2G3はマスト細胞、③PLA2G12Aは線維芽細胞から主に分泌され、リゾリン脂質（LPA, LPE）の動員を介してマスト細胞の成熟又は活性化を調節し、即時型アレルギーを増悪することを明らかとした。
【研究の社会的意義】
本成果は、①未解明であった皮膚中での不飽和脂肪酸の動員機序と当該脂質シグナルによる皮膚恒常性・変容の新しい制御機構、②マスト細胞微小環境を制御する未知の機能性脂質とその動員経路ならびにマスト細胞制御の動作原理を解明するものであり、将来的に、本成果を理論背景に、膜環境整備を志向した新しいアレルギーの予防治療・診断法が創出されることが期待される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)