シングルセルゲノムデータに基づく未培養微生物の戦略的資源化プロセスの開発
【研究キーワード】
シングルセル解析 / マイクロ流体デバイス / ゲノム
【研究成果の概要】
本研究では、1細胞ゲノミクスとマイクロ流体技術を活用して、環境試料に存在する微生物の素性を明らかにし、最適な培養法を設計する「ゲノムデータに基づく戦略的微生物培養プロセス」を開発する。「単離培養を繰り返し、新規・有用微生物のヒットを期待する」という古典的・労働集約的な方法に対して、我々が提唱する新法では、「新規・有用種の存在・特性を事前に検知し、培養条件を事前に最適化して対象物を釣り上げる」という合理的なアプローチを微生物培養に採用することを目的としている。対象試料中の微生物種の推定と培養法の最適化には、未培養微生物の全ゲノム情報の網羅的取得が求められる。そこで、代表者が開発した網羅的なシングルセルゲノム解析技術(SAG-gel)を基盤技術として用いる(Chijiiwa et al. Microbiome 2020)。
初年度は、シングルセルゲノム解析技術(SAG-gel)を改良して、一度に千個を超える微生物シングルセルゲノムデータを取得する手法を確立し、さらに生菌特異的なシーケンス技術(PMA-SAG-gel, Hosokawa et al. Sci. Rep. 2022)を開発し、目標を達成した。第2年度は、大規模シングルセルシーケンス技術の論文報告に向けて、手法の最適化とデータ拡充を進める。このほかに、シングルセルトランスクリプトーム解析技術へも展開する予定である。また、ここまでに確立したデータ取得技術を用いて、特定の微生物から単離・培養条件を推定し、微生物集団からの単離培養を試みる。これには標準的なプレート培養のほか、マイクロ流体デバイスを用いた培養も検討する。対象はおもに土壌細菌やヒト常在菌を予定している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
西川 洋平 | 早稲田大学 | ナノ・ライフ創新研究機構 | 次席研究員(研究院講師) | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)