細胞接着分子CADM1とトランス相互作用する分子群の同定
【研究キーワード】
細胞接着 / 浸潤 / タンパク質ライブラリー
【研究成果の概要】
細胞接着分子CADM1は免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)に属し、同分子種あるいはIgSFに属する異分子種と相互作用し、細胞接着に寄与する。CADM1の発現異常は様々な病態に関与し、成人T細胞白血病(ATL)に高発現するCADM1は血管内皮細胞との接着を介して臓器浸潤を亢進する。しかしながら、血管内皮細胞においてCADM1と相互作用する分子は同定されていなかった。本研究では、ATL細胞に発現するCADM1が血管内皮細胞に発現するCADM1と相互作用し、血管外遊出及び臓器浸潤を促進することを明らかにした。
【研究の社会的意義】
独自にIgSF遺伝子群をクローニングし、精製したIgSF-Fcタンパク質ライブラリーは、CADM1のみならずIgSF分子の相互作用ネットワークを解明する上で強力な技術基盤となり得る点において学術的意義がある。また、ATL細胞のCADM1を介した臓器浸潤の機序を明らかにしたことにより、中和抗体などを用いた細胞接着阻害により浸潤を抑制する新たな治療法の可能性を見出した点において社会的意義がある。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2021-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)