マルチスケール反応拡散モデル構築による薬物送達のための腹膜播種巣の統合的理解
【研究キーワード】
DDS / マルチスケール / 腹膜播種 / 反応拡散 / 数理モデル
【研究成果の概要】
胃がんや卵巣がんの腹膜播種は、腹腔内に広範囲にがん細胞が転移し、播種巣が形成さ
れる疾患である。本研究では、がん微小環境を反映した播種巣内部の反応拡散モデルと腹腔・全身循環を結合した新たなマルチスケール薬物動態モデルを構築した。構築したモデルにより、抗がん剤を腹腔投与した際の腹膜播種への送達挙動やその種差による違い、ハイドロゲルを用いて徐放化した際の効果などについて、定量的に議論することが可能となった。
【研究の社会的意義】
腹膜播種治療において、無数に広がる転移巣を効果的に治療可能な抗がん剤送達が期待されるが、薬物送達の「ラスト・ワン・マイル」である播種巣中での薬物やDDSキャリアの組織浸透性が低く、現在でも完治が非常に困難である。本研究で構築したモデルにより、システム的な理解に基づく定量的なDDSキャリア設計が可能となり、腹膜播種の治療成績向上に寄与することが期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
北山 丈二 | 自治医科大学 | 医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
太田 誠一 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2020-07-30 - 2022-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)