PETによる炎症から石灰化に至る変化の観察:プラーク破綻予測・新規治療標的の検索
【研究キーワード】
atherosclerosis / NaF / FDG / PET / CT / calcification / micro calcification
【研究成果の概要】
不安定プラークの破綻は、急性冠症候群を引き起こし、心臓突然死の原因となる。治療法の進歩により死亡率は低下しつつあるが、心不全などの合併症を引き起こし、その後の死亡率上昇や生活の質の著しい低下を生じるので、発症自体を予防できることが望ましい。
我々は、不安定プラークおよびその破綻において炎症・microcalcification・石灰化が重要
な役割を示すことを示してきた。本研究は、不安定プラークの特徴である炎症・microcalcificationの同一個体・同一プラークにおける経時的変化を、分子イメージングで非侵襲的に観察することで、急性冠症候群の予兆と考えられる事象を経時的に明らかにし、これらの把握による発症予測の可能性、および治療薬による動脈硬化プロセスに与える影響を検討することである。
申請時までの報告では、放射線照射後半年、すなわち約8か月齢で石灰化が生じるとされており、我々も刺激後8か月後(生後10-11か月)まで観察する予定であったが、あまり顕著な石灰化は認めなかった。一方で、申請後の今年度に発表された論文「Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2021 41 e185 Xian JZ. Statin Effects on Vascular Calcification」において、ApoEノックアウトマウスの生後55週齢から76週齢における大動脈石灰化の観察を行い、石灰化の顕著な増加を観察し、スタチンが石灰化を抑制することが示されていた。今回のわれわれの検討でも、観察期間を延ばした方がより明確な石灰化を観察できることが見込またので、観察期間を刺激後80週程度まで延長することとした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
陣崎 雅弘 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 教授 | (Kakenデータベース) |
岩渕 雄 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)