血管石灰化におけるGas6-Axl経路を介した制御機構の解明と治療への応用
【研究分野】循環器内科学
【研究キーワード】
血管石灰化 / 高リン血症 / アポトーシス / Gas6-Axl / 細胞アポトーシス / Gas6-x1 / Gas6-Axl経路
【研究成果の概要】
2年間の検討において、下記について明らかにした。
(1) 心血管石灰化におけるアディポサイトカインの役割の解明 TNF-αは高リン刺激による血管平滑筋細胞石灰化を促進し、その機序はリン刺激によりアポトーシスがTNF-αで増加し、Gas6-Axl survival pathway が抑制されることによる。(2)腎不全ラットモデルでの大動脈石灰化における新しい制御法・治療法の開発 大動脈におけるメンケベルグ型血管中膜石灰化モデル動物を作成した。水溶性スタチンおよびアンジオテンシンIIタイプ1 受容体阻害薬は大動脈石灰化を濃度依存的に抑制した。(3)腎機能と大動脈石灰化の相関および心血管イベント発症に関する臨床的検討 胸部X 線上の大動脈弓石灰化(AAC)の石灰化をグレード分類した。AAC グレードは、危険因子の重積により有意に増加した。(4)血管石灰化における性ホルモンの作用 高リン刺激による血管平滑筋細胞石灰化は女性ホルモン・男性ホルモン投与により濃度依存的に抑制され、アポトーシスも抑制された。
【研究代表者】