高性能イミュノトキシンを用いた小細胞肺がんの標的化治療法の開発
【研究キーワード】
小細胞肺がん / 抗体 / イミュノトキシン / ADC型抗体薬 / SCLC / ADC / DT3C
【研究成果の概要】
本研究は小細胞肺がんに対する抗体薬物複合体(antibody drug conjugate: ADC)型抗体薬の開発を目的としたモノクローナル抗体の樹立と新規標的の探索である。初年度は、これまでに私たちが樹立したモノクローナル抗体(免疫原:膵臓癌、前立腺癌、肺腺癌、悪性中皮腫、悪性黒色腫、骨髄性白血病、その他の難治性腫瘍、抗原数:68個、抗体数:1200クローン以上)について小細胞肺がん治療における有効性を調査した。小細胞肺がん細胞株であるSBC3、SBC5、NCI-H1092、NCI-H1439、STC1、Lu134AH、MS1L、Lu135、KHM3SおよびNCI-H69について網羅的にフローサイトメトリー(FCM)解析を行った。公共データベースから正常組織および血液系細胞で発現が認められる標的(抗原)について除外した。その結果、調査した全てで強陽性を示したCD#05、CD#55、A#AM10およびJ#M3の4つの抗原が小細胞肺がんに対するADC型抗体薬開発における有望な標的と考えられた。これらの標的に対する内在化能を有するモノクローナル抗体の樹立を現在進めADC型抗体薬の開発に結びつけたい。また、同時に小細胞肺がん細胞株であるSBC5を免疫原とするモノクローナル抗体の樹立も進行中であり、こちらは現時点で内在化能を有する抗体を50個以上樹立出来ており、現在抗原同定を進めているところである。
【研究代表者】