非結核性抗酸菌細胞壁脂質に対する宿主免疫応答の解明
【研究分野】感染症内科学
【研究キーワード】
非結核性抗酸菌症 / 肺MAC症 / 感染症
【研究成果の概要】
肺非結核性抗酸菌(NTM)症の肺Mycobacterium avium complex (MAC)症の病態解明のため、菌細胞壁脂質であるglycopeptidolipid (GPL)に対する宿主免疫応答、ならびにGPLの病原性を検討した。MAC菌体からGPLを抽出し、質量分析により、GPLの分子構造を解析した。更に、ヒトマクロファージやマウスを用いたMAC感染実験より、GPLが肺MAC症の病態に関与していることが推測された。
【研究の社会的意義】
日本において、肺NTM症の罹患率は増加の一途をたどっており、肺NTM症の内、肺MAC症が約90%を占めている。しかし、肺MAC症はその病態において依然不明な点が多い、診断が困難かつ、難治性の慢性呼吸器感染症である。本研究で、菌細胞壁脂質であるGPLの肺MAC症の病態への関与が示唆されたことから、今後、GPLに着目した精度の高い検査法や治療効果の高い薬物が開発され、より良い肺MAC症診療が可能になることが期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
長谷川 直樹 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 教授 | (Kakenデータベース) |
下田 将之 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 講師 | (Kakenデータベース) |
|
【研究協力者】 |
杉浦 悠毅 | |
|
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)