なぜ一見有望な農業技術が広まらないか?大規模ランダム化比較試験からの知見
【研究キーワード】
貧困削減 / ランダム化比較試験 / バングラデシュ / 農業生産性 / 集約的稲作技術 / インパクト評価 / 農業普及 / 集約的稲作
【研究成果の概要】
発展途上国において、低投入・高収量型の稲作農法として「System of Rice Intensification(SRI)」と呼ばれる技術が注目を浴びている。しかし、その普及率は一般に非常に低い。なぜ一見有望な農業技術が普及していないのか?本研究では、この大きな問いに答えるために、 バングラデシュを事例として、大規模ランダム化比較試験を実施する。とりわけ、一部の作業機械化による労働制約の緩和による影響やSRIや機械化を伴うSRIの所得・利潤効果 及び労働・生産物市場への一般均衡効果を検証する。
2020年度から研究が開始されたが、2020年度はコロナの影響により、実質的な現地の作業がほぼできなかった。2021年度は、遅れを取り戻すべく、以下を実施した。a) 調査対象地域の特定、b)家計・村落調査実施機関の選定、c)ベースライン家計・村落調査、d)機械化を伴うSRIのデモンストレーション。
家計・村落調査は、現地の農業事情に詳しいSocioeconomic Consultantに委託している。これまで、全対象75カ村の村レベルの情報(インフラ状況、賃金率など)と実験開始前の家計情報(家計構成員の属性、土地所有状況、農業・非農業活動の詳細)を各村25家計づつ、計1875家計分収集し、現在はデータクリーニングを行っている。機械化を伴うSRIのデモンストレーションはランダムに選ばれた25カ村で実施し、技術の詳細を説明したビデオを作成した。
【研究代表者】