神経細胞膜電位の伝搬と相互作用を扱う電子界解析に関する基礎的研究
【研究分野】神経科学一般
【研究キーワード】
神経細胞膜電位 / 有限要素法 / 2次元膜電位方程式 / 脳磁界 / MEG
【研究成果の概要】
神経細胞膜電位の微視的なダイナミクスを明らかにするための、数値計算方法に関する理論構築を行った。これまでに研究代表者らは、細胞膜の電位の振る舞いを、膜のイオン・チャンネル密度などの電気的パラメータ分布や細胞形状などと直接結び付けるため、2次元膜電位方程式を提案し、数値計算を実現してきた。この場合、膜近辺の電流密度を等価伝導層膜厚という1つのパラメータによって表現する近似を用いていた。本研究では、細胞の内外の空間も解析に取り込み、有限要素法によって近似を用いずに膜電位を計算する理論を構築することに成功した。また、未だ低解像度ではあるが実際に数値計算例を示し、その有用性を確かめた。この方式は、膜電位の解析に適用できるばかりでなく、それに伴う電流分布および磁界分布も与えるものであるため、MEG計測の微視的な解析にも利用可能であるなど、応用分野が広いものであると考えている。
【研究代表者】
【研究種目】萌芽的研究
【研究期間】1998
【配分額】2,000千円 (直接経費: 2,000千円)