自発的な運動開始に関与する皮質ー皮質下ネットワークの解明
【研究キーワード】
システム神経科学 / 脳計測科学 / パーキンソン病 / 2光子イメージング / 神経科学 / 2光子イメージング
【研究成果の概要】
我々は自らの意思に基づき運動を開始することができる。随意的な運動の開始に先行して起きる脳活動は準備電位と呼ばれ、人における自由意志との関連なども含めた広範な研究がなされてきたが、その発生機構については未だに不明な点が多い。パーキンソン病患者では自発的には運動開始が困難だが、外発的な刺激に対しては比較的頑健に運動開始が可能であることが知られており、自発的と外発的という二つの運動開始手法を比較することで、自発的な運動開始に果たす機能についてより明確に明らかにすることが出来ると考えられる。
両者の比較を実現するため、頭部を固定したマウスにおいて自発的なレバー引き課題および外発的なレバー引き課題を1つのセッション内で同時に観察できる系を構築した。これまでの2光子および1光子によるマルチスケールカルシウムイメージングにより、運動野の中でも高次領域に相当するM2が運動開始信号の差異をマウスにおいてもよくコードすることを見出した。M2における課題依存的な活動を形成する上流の候補として、自発的な運動開始に重要な役割を果たすことが臨床、および基礎研究の両者から考えられているドーパミンが考えられ、その関与について明らかにする実験を進めている。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)