Discovery Sagaサイレントキーワード俯瞰

二分子膜 / イオンチャネル / 分子機械 / 相転移 / ヒステリシス / メカノセンシティブチャネル / 両親媒性分子 / 刺激応答性 / 熱応答 / オリゴエチレングリコール / マルチブロック分子 / マルチブロック / メカノセンシティブイオンチャネル / 張力 / マルチブロック構造 / 超分子化学 / ポリエチレングリコール / 生物模倣 / 自己組織化 / 分子デバイス

細胞膜に含まれるタンパク質の構造を模倣し，水との親和性の高い親水部と親和性の低い疎水部を交互に連結した交互両親媒性骨格を有する分子を設計し，その合成法を確立した。力学的エネルギーや熱などの外部刺激に応答して分子構造や集合形態の変化をおこし，その結果として物性を変化させることのできる，刺激応答性分子素子の開発に成功した。

本研究の成果は，細胞内でタンパク質により行われている様々なセンシング，例えば温度センシングや力学センシングを，人工分子でも実現できることを示した先駆的な結果であり，ナノメートルサイズの微小センサーを構築する分子設計を可能とする，大きなブレークスルーをもたらすことが期待される。

連鎖重縮合 / 重縮合 / ブロック共重合体 / スターポリマー / ポリアミド / ポリエーテル / 自己組織化 / リビング重合 / ポリエステル / グラフトポリマー / ポリチオフェン / ポリエーテルスルホン / 分子量制御 / ポリエチレングリコール / 分子量分布

本研究はこれまで不可能であった重縮合における高分子の分子量及び分子量分布の制御を連鎖重合で進行する重縮合(連鎖重縮合)によって達成し、かつ得られた新規精密高分子のこれまでにない自己組織化現象を探索することを目的とした。この研究によってこれまで単に構成材料として主に使われてきた縮合系高分子が、ブロック共重合体のような緻密な分子アーキテクチャーの1つの構成要素として使えるようになるだけではなく、剛直な縮合系高分子を含む高分子の新しい自己組織化現象の発見が期待される。得られた研究成果は以下のとおりである。
(1)芳香族ポリエーテル、芳香族ポリエステル、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリチオフェンの分子量と分子量分布の制御に成功した。また芳香族ポリエーテルがシリコン基盤上でシリコン結晶格子を反映して球状または円盤状の自己組織体を形成することを見いだした(エピタキシー現象)。
(2)分子量分布の狭い芳香族ポリアミドとポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリTHFとのブロック共重合体を合成した。またN-アルキル芳香族ポリアミドとN-H芳香族ポリアミドとのブロック共重合体を合成し、この共重合休がTHF中、自己組織化してマイクロメーター単位の巨大糸状組織体になることを見出した。
(3)ポリスチレンに芳香族ポリアミドがグラフトした新規グラフトポリマーを合成した。
(4)芳香族ポリアミドを含むスターポリマーおよびスターブロック共重合体を合成した。

【研究分担者】
横山明弘	神奈川大学	工学部	助手	(Kakenデータベース)
平岡秀一	神奈川大学	工学部	助手	(Kakenデータベース)