航空安全向上のたのパイロット操縦のヒユーマンウェアに関する研究
【研究分野】航空宇宙工学
【研究キーワード】
航空機 / 安全 / 操縦分析 / ニューラルネットワーク / 最適制御 / ワークロード
【研究成果の概要】
航空機パイロットの操縦を分析し、航空安全の向上に貢献するため、特にパイロット操縦のヒューマンインターフェースに注目して研究を実施した。具体的には、パイロットの飛行機操縦を、「ニューラルネットワークによる人間の情報処理・操縦技能分析」、「操縦のワークロード分析」、「ローリスクな最適操縦技術」という三つの異なる観点から実施し、機械的なハードウェアでもなく、手続き的なソフトウェアでもなく、マニュアル操縦に関するヒューマンウェアという観点から航空安全に寄与する研究を実施した。ニューラルネットワークを用いた操縦分析に関しては、着陸時のヴィジュアルキューと操縦との関連を実際の操縦データから分析する手法を開発した。フライトシミュレータによる解析手法の検証から着手し、実飛行データを用いた解析法の開発を行うとともに、意識的にヴィジュアルキュー変えた場合の分析結果の比較を行い、解析結果の有用性を検証した。エアライン機体のパイロットは、飛行中のワークロード低減のために操縦のみならずオペレーション全体をマネージメントしている。このワークロード低減のための最適マネージメント法を明らかにするために、パイロットの経験の違いがマネージメントに与える影響を明らかにするための研究を実施した。フライトシミュレータでの操縦記録を用いた分析手法を開発し、ベテランと新人のマネージメント能力に差を明確にし、この評価手法を簡便にPC上で実行できる評価ツールの構築の検討を行った。最適操縦の分析に関してはBoeing 767型機の着陸を模擬するシミュレータを用い、パイロットが認識する視覚情報を入力とし、エレベータ操舵量を出力とするニューラルネットワークを構築した。その上で、様々な条件下で着陸成功率を上げるようにニューラルネットワークを最適化し、最適操縦方法を求めた。またこの最適化されたニューラルネットワークの解析を行い、最適操縦に求められる要件を得た。以上、パイロットの操縦を、ニューラッルネットワークでのモデル化および最適化という観点から解析、分析する手法を研究開発するとともに、操縦記録からマネージメント能力の差異を検討する手法の研究開発を実施した。
【研究代表者】