低濃度塩水石油増進回収法のナノスケールメカニズムの解明とその効率化
【研究分野】地球・資源システム工学
【研究キーワード】
石油増進回収法 / 低濃度塩水 / ナノスケール / 分子動力学 / X-Ray CTR / 界面の吸着構造 / 資源開発 / 界面科学 / 界面化学 / 石油増進回収
【研究成果の概要】
本研究では塩濃度を変化させたときの鉱物表面上における油の吸着構造を探り、低濃度塩水による石油増進回収法(EOR)メカニズムを分子レベルから明らかにすることを目的としてX線CTR散乱法測定、分子動力学シミュレーション、濡れ性測定を行った。 その結果、粘土鉱物を多く含む砂岩貯留層の場合、高pH条件で酸性油と鉱物の間にカチオン架橋構造を形成することによって酸性油が吸着し、特に二価のCa2+イオンが本質的な役割を果たすことがわかった。 一方、炭酸塩貯留層の場合、低pH条件で方解石表面に酸性原油が強く吸着し、一価のNa+が重要な役割を果たしていることがわかった。
【研究の社会的意義】
低濃度塩水による石油増進回収法(EOR)は従来の化学薬剤を用いるEORに比べて環境負荷が小さく経済的であることから、適用例が増えている。しかし、その油回収率を向上させるメカニズムは十分に解明されておらず、油田によってはその効果がほとんど見られない場合もある。実験やシミュレーションを含む分子スケールの研究を実行することによって、我々は低塩分濃度水攻法によるEORメカニズムに関する新しい理論を提供することができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
松岡 俊文 | 公益財団法人深田地質研究所 | その他部局等 | 主席研究員 | (Kakenデータベース) |
村田 澄彦 | 京都大学 | 工学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
増田 昌敬 | 東京大学 | 人工物工学研究センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)