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本研究では,材料-構造連成応答解析システムを拡張し、直接的に実構造物に適用することで、環境作用・力学作用による構造性能の変化を精緻に追跡可能なシステムを実現した.このシステムにより過剰たわみの発生した実橋の再現解析を行ったところ、上下フランジ間での鋼材量の差や熱力学状態量の違いが原因で、設計当時の予想を超えたたわみが発生したことがわかった。この成果を逆手に取り、意図的に上下フランジ間に環境作用に対する応答に差をつけることで、構造物が自律的にたわみを制御する設計法の提案も行い、実験で効果を確認した。同システムを鋼材腐食の発生が予見される構造物に適用し、時間と残存構造性能の変化を追跡したところ、腐食進展とともに破壊モードが変化し、一般に使われる劣化曲線よりも早く性能が低下することが分かった。