逆ビルドアップ法を用いた金属薄膜-金属多孔体複合型水素分離膜の開発
【研究分野】化工物性・移動操作・単位操作
【研究キーワード】
水素分離膜 / 燃料改質 / 水素製造 / 非平衡 / 複合化 / パラジウム / 水素 / 逆ビルドアップ法 / メッキ
【研究成果の概要】
申請者は水素分離型の非平衡型燃料改質をめざし、この反応技術の鍵となる水素分離膜に関して新技術を見出した。本研究では提案した逆ビルドアップ法による、1μmオーダーのパラジウム合金薄膜と多孔質金属支持体とを複合化した水素分離膜の実用開発を目指した。従来、試作品ごとに性能が一定でないため、実用的な製膜法を確立することを第1目的とした。平成20年度は製法を改良しピンホールフリーの水素透分離膜作成を実現した。平成21年度はこの手法で得られた水素分離膜の水素透過性能を評価し、さらに逆ビルドアップ法を用いた複合型水素分離膜の安定的な製法の確立を目指した。とくにピンホールフリーの製品歩留まりの向上が重要であった。申請者が提案した逆ビルドアップ法による新規複合水素分離膜の製法の要素段階の中で(1)パラジウム合金薄膜層スパッタ製膜工程、(2)支持メッキ層作成工程が安定した膜の作成に重要であった。工程(1)ではスパッタの電圧、電流値、スパッタ時間の最適化を検討した。工程(2)では従来はメッキ層が膜面の場所により不均一となり、膜の断裂破壊、ピンホールが発生し、安定した成膜が困難であったので、メッキ用の治具をさらなる改良を進め、膜全面に極力均一に電流が流れるよう、電気接点の多点化および、電力印加条件を検討した。その結果、大幅に歩留まりが向上し、本手法による目的の水素分離膜製作が実用的に可能であることを明らかにした。さらに得られた膜の水素透過性能値より、既往の合金単体薄膜に比べて経済性が高い可能性があることを示した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
劉 醇一 | 東京工業大学 | 原子炉工学研究所 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2008 - 2009
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)