自然免疫DNAセンサーによるクロマチンの認識と構造制御機構の解明
【研究キーワード】
クロマチン / cGAS / ヌクレオソーム / 自然免疫 / DNAセンサー / ゲノムDNA
【研究成果の概要】
脊椎動物では、ウイルスなどの外来DNAに対する防衛するため、自然免疫のDNAセンサーcGASを備えている。一方で細胞は、自身の設計図であるゲノムDNAを持つため、cGASは、自身のクロマチンを形成したDNAに対しては不活化しなければならない。本研究では、クロマチンの基本単位であるヌクレオソームとcGAS複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡解析により決定した。本研究結果によって、ヌクレオソームによるcGAS不活化のメカニズムが解明された。
【研究の社会的意義】
本研究で明らかになったcGASの制御機構は、自己と非自己のDNAの区別という、自然免疫分野における中心的な問に一つの答えを与えるものであると考えられる。また、cGASは、がん、老化、自己免疫疾患などの広範な疾病に関与している。本研究成果は、これらの疾病の発症のメカニズムや、制御法についての重要な知見を与えると期待される。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)