【研究分野】天文学

【研究領域課題番号】22684006 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

磁気流体力学 / 計算物理 / 乱流 / 波動 / 降着円盤 / 太陽風 / 恒星風 / 原始惑星系円盤 / 数値シミュレーション / 宇宙物理 / 磁気流体 / 天体風

【研究成果の概要】

以下の2課題の研究に取り組んだ。
(1)降着円盤の大局的高解像度3次元磁気流体シミュレーションを行い、円盤の温度分布が回転周波数分布を通して、磁場増幅に大きな影響を与えることを指摘した。さらに、理想磁気流体近似が成立する場合でも、磁気乱流における磁力線のつなぎ変えにより、質量の流れと磁束の動きが異なるとの成果を得た。
(2)活動的な太陽型星の磁気流体シミュレーションを行ない、波動の反射の非線形減衰に起因する不安定機構により、表面からのエネルギー注入の微妙な変化が、外層の恒星風強度の大きな変化を引き起こすことを明らかにし、太陽風が過去に1000倍近く高強度になり得ることを指摘した。

【研究種目】若手研究(A)

【研究期間】2010-04-01 - 2015-03-31

【配分額】25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)

【研究分野】天文学

【研究領域課題番号】15340062 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

星形成 / 数値シミュレーション / 磁気流体 / 輻射輸送 / 原始星 / 磁気流体力学

【研究成果の概要】

本研究課題では、円盤・伴星を伴う3次元的な構造をもつ原始星の進化を、自己重力・磁場・輻射輸送を考慮した数値シミュレーションにより明らかにすることを目的として、研究を進めてきた。また研究基盤を整えるという観点から、PCクラスターの構築、コード開発、数値解法やデータの解析・可視化についてのハンドブックの発行と公開を行った。期間中に得られた科学的成果は次の通りである。
1.磁場に貫かれた回転する分子雲が重力収縮する様子を、多層格子を用いたコードにより、初めて3次元数値シミュレーションを行った。初期の磁場や回転速度を変えても、重力収縮する間に磁場や回転速度は自己調節され、生まれたばかりの原始星(=ファーストコア)の磁気力と遠心力の和と重力の比はほぼ一定になることが明らかになった。遠心力が磁気力より強いとき、原始星は分裂して連星(=多重星)となりやすいことも明らかにした。
2.原子ガスと分子ガスの2相に分かれたガス雲をシミュレーションするには、数値格子の間隔を熱輸送の典型的な長さスケールλの1/3以下にする必要があることを指摘した。
3.一つの連星に所属する主星と伴星では、主星のほうがガス降着率が高くなることを、空間分解能の高い数値シミュレーションにより示した。これは連星の質量比は1:1に近づくという定説を覆す、重要な知見である。
4.宇宙初期の化学組成をもつガスの重力収縮を3次元シミュレーションし、初代星(種族III)でも連星の形成頻度が高いことを示唆する結果を得た。
5.1次元輻射輸送シミュレーションを行い、超新星爆発により周囲のガスが電離・圧縮されると、1万年後に圧縮された分子ガス雲より次世代の星が形成されることを示した。

【研究種目】基盤研究(B)

【研究期間】2003 - 2004

【配分額】16,700千円 (直接経費: 16,700千円)