【研究分野】環境動態解析

【研究領域課題番号】17H06105 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

同位体置換分子種 / アイソトポログ / アイソトポマー / 地球環境 / 物質循環 / 環境解析 / 安定同位体 / 環境診断

【研究成果の概要】

全ての分子は多数の同位体置換分子種（本課題ではアイソトポログと総称する）から構成されているが、まだそのほとんどが正確に計測できていない。それらの計測法を開発するとともに、開発した計測法を速やかに適用し、国際標準の地球環境診断法とした。
重要な環境物質のアイソトポログの自然存在度を計測し、地質、生物、人為の3つの過程の中で重要なプロセスを解析することで、各プロセスとその相互作用で決まる地球表層環境を物質循環変化として分子レベルで診断する方法を創出した。

【研究の社会的意義】

アイソトポログ研究は分子の起源や履歴に関する新たな基礎的分子解析の扉を開いたと言える。これまでの伝統的な同位体標準に直接準拠できるとともに、アイソトポログの集合体である場合が多い標準物質に対して、あいまいさを排除した、より高確度の標準法を樹立した。
多様なプロセスが関わるため、原因解明や影響対策評価の明確な解析が困難である近年の急速な地球環境変化や過去の生物地球化学的イベントに対して、究極の診断を可能とし、さらなる応用分野への展開を可能とした。
1954年から隔年開催の歴史あるゴードン会議欧州版から共催依頼を受け、主宰してきた国際会議をISI+Isotopesとして発展的に主導することが確定した。

【研究種目】基盤研究(S)

【研究期間】2017-05-31 - 2022-03-31

【配分額】211,120千円 (直接経費: 162,400千円、間接経費: 48,720千円)

【研究分野】地球宇宙化学

【研究領域課題番号】23224013 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

物質循環 / 安定同位体 / アイソトポマー / 環境計測 / 理論計算 / 数値モデリング / 地球環境物質 / 同位体分別理論計算 / 分子内同位体分布 / エタノール / 三種酸素同位体比 / 分別係数理論計算

【研究成果の概要】

水素から硫黄に至る生元素安定同位体の自然存在度は、物質循環追跡に有効である。本研究では単一同位体に限られていた環境分子中の同位体の組み合わせからなる多種同位体置換種、即ち「アイソトープの分子版」であるアイソトポマーの計測・解析法を開発した。
これを地球温暖化関連物質とその前駆物質である生体分子に適用し、起源、生成・消滅過程の情報を読み解いた。
未計測分子と観測不可能な短寿命反応中間体などの存在度予測には第一原理に基づく理論計算を行って補完した。また、地球規模3次元化学輸送モデルを窒素・硫黄酸化物に適用し、主要な地球温暖化ガスとエアロゾルの循環を解明した。

【研究種目】基盤研究(S)

【研究期間】2011-04-01 - 2016-03-31

【配分額】208,390千円 (直接経費: 160,300千円、間接経費: 48,090千円)

【研究分野】環境動態解析

【研究領域課題番号】19201004 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

物質循環 / 安定同位体 / 微生物 / ガス代謝 / アイソトポマー / 微生物ガス代謝 / 純粋培養 / 微生物過程 / 培養実験

【研究成果の概要】

一酸化二窒素(N_2O)、メタン(CH_4)、および硫化水素(H_2S)は温室効果やエアロゾル形成を介して地球の気候変動と密接に関わっている。これらN_2O、CH_4、H_2Sのアイソトポマー比を用いた循環解析を発展させるために、微生物ガス代謝過程に着目し、(1)単一微生物種の純粋培養実験、(2)複数種(共存・競合)培養実験、および(3)環境試料の室内培養実験および観測を利用して、種々の微生物ガス代謝とアイソトポマー比の関係を定量化した。

【研究種目】基盤研究(A)

【研究期間】2007 - 2009

【配分額】49,270千円 (直接経費: 37,900千円、間接経費: 11,370千円)