ビスマス原子による黒リン構造層状物質の電子状態
【研究分野】物性Ⅰ
【研究キーワード】
表面電子状態 / ビスマス超薄膜 / 光電子分光 / 走査トンネル顕微鏡 / 表面・界面物性
【研究成果の概要】
黒リン(BP-like)構造をもつBi(110)超薄膜は、2次元トポロジカル絶縁体の電子物性が予測される興味深い系である。本研究ではシリコン基板上に作製したBi(110)超薄膜の構造と電子状態を角度分解光電子分光と走査トンネル顕微鏡を用いて系統的に調べ、8原子層程度以下の薄膜内部の構造がBP-likeであること、基板からの電荷移動によりホールドープされていること、Biを100 K程度で蒸着後に室温まで加熱する2段階成長によって高さの揃った超薄膜を広範囲に作製可能であることを明らかにした。
【研究の社会的意義】
黒リン構造のBi(110)超薄膜は、基板との相互作用や電荷移動によるトポロジカル絶縁体転移が予想されており、その電子状態が大変興味深いにもかかわらず、研究例は少ない状態であった。本研究により、デバイス整合性のよい半導体基板を用いて将来的に半導体技術で電荷量を制御する可能性を担保したうえで、Bi(110超薄膜の成長過程と電子状態についての系統的な知見を得ることができたことは、学術的にも社会的にも大変意義深いことと考えている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
平山 博之 | 東京工業大学 | 理学院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)