【研究分野】ナノ構造科学

【研究領域課題番号】24510146 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

巨視的量子現象 / 同期現象 / テラヘルツ波 / ジョセフソン接合 / メタマテリアル / 高温超伝導 / 非線形光学 / 量子コンピュータ / 固有ジョセフソン接合 / 高温超伝導体 / 回路量子電気力学 / テラヘルツ発振 / 量子ビット / 多バンド超伝導 / 鉄系超伝導 / 巨視的量子トンネル現象 / 熱伝導 / 多ギャップ超伝導 / 熱輸送 / 巨視的量子トンネル効果

【研究成果の概要】

超伝導体ジョセフソン接合アレイにおいて創発する同期現象及び巨視的量子現象に関して研究を行った。高温超伝導体固有接合から発生するテラヘルツ電磁波の計算を行った。その結果, 人工的に局所加熱することによって, テラヘルツ波の強度が桁違いに増大することを明らかにした。また多バンド超伝導ジョセフソン接合における巨視的量子トンネル効果に関する理論構築を行った。その結果, Leggettモードの存在によって量子トンネル率は増大することが明らかとなった。さらに、超伝導量子メタマテリアルの電磁波応答現象についても理論的に検討を行った。

【研究種目】基盤研究(C)

【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31

【配分額】5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)

【研究分野】原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ

【研究領域課題番号】18740250 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

量子コヒーレンス / エンタングルメント / マスター方程式 / 量子コンピュータ / 量子ドット / ジョセフソン接合 / アンチ・バンチング

【研究成果の概要】

本研究課題の目的は,量子情報分野への寄与を念頭に,量子コヒーレンスの理解とその制御に関する新たな手法の確立にある.本年度は以下の研究成果を得て,学術誌や国際・国内学会で発表した.
1)量子コヒーレンスの緩和過程を記述するマスター方程式の導出には,通常,対象系と環境系との間に相関のない特殊な初期状態が仮定される.我々は,この仮定を課さない導出法を提示した.この議論は,射影演算子法の再吟味を促すとともに,不可逆性の起源に対する理解ももたらす.
2)マスター方程式は密度演算子に対する方程式であるが,表示を取ってc数の方程式に焼き直して解くのが通常の解法である.これに対し,我々は,演算子形式のまま解く方法を提案した.
3)二つの量子ビットに別の粒子を入射し,散乱することで前者間にエンタングルメントを生成する枠組みを議論した.特に,共鳴散乱が高いエンタングルメントの生成に役立つことを明らかにした.
4)量子コンピュータの実現を目指す系の一つとして,量子ドット系を実験家と連携して検討している.我々が念頭に置いている系では,量子ドット列の端のドット内の量子ビットしか直接測定することができない.それでもなお,量子ドット系全体のダイナミクスと測定が量子系に及ぼす効果を利用することで,量子ビット系全体の状態を読み取れることを示した.
5)量子コンピュータの実現を目指す系として注目されているジョセブソン接合量子ビット系を題材に,多量子ビット系のエンタングルメントを生成する方法を提案した.
6)アンチ・バンチングを題材に,多粒子系の量子統計に起因する量子コヒーレンス,特にそのコヒーレンス長を詳細に議論した.

【研究種目】若手研究(B)

【研究期間】2006 - 2008

【配分額】1,300千円 (直接経費: 1,300千円)