非線形楕円型方程式の固有値問題の研究
【研究分野】大域解析学
【研究キーワード】
固有値問題 / 楕円型方程式 / 正値解 / 準線形常微分方程式 / 非線形 / 楕円形方程式 / 固有値
【研究成果の概要】
1.楕円型偏微分方程式の固有値問題:ラプラシアンを主要項とする2階楕円型方程式の複数のパラメータを持つ固有値問題を考察した。(変分)固有値の存在、固有関数の漸近的性質等を解明した。また、2-パラメータAmbrosetti-Prodi問題も考察した。パラメータの動く範囲と解の個数とがどの様に関わりあっているのかを解明した。解析方法は上級関数-下級関数法と写像度の議論との組合せである。
2.楕円型偏微分方程式の正値解について:主としてラプラシアンを主要項とする2階楕円型方程式を非有界領域で考え、(複数個の)正値解の存在、及び正値解の一意性に関する種々の定理を確立した。解析方法は、変分法と位相空間論との組合せである。
3.準線形常微分方程式の正値解について:1次元退化ラプラシアンを主要項とする2階準線形常微分方程式を半無限区間上で考察し、時刻無限大のときの正値解の漸近公式を具体的に与えた。また、その応用として、退化ラプラシアンを主要項とする外部ディレクトレ問題の正値解の存在定理を見いだすことが出来た。
4.走化性粘菌の増殖問題について:Keller-Segelによって定式化された走化性粘菌の増殖過程を記述する放物型方程式系の自己相似解の構造について考察した。この自己相似解はパラメータを一つ含んだある半線形楕円型方程式の解として実現される。パラメータに対する解の分岐の状態を明らかにした。
5.準線形楕円型偏微分方程式(系)の非負値解について:退化ラプラシアンを主要項とする楕円型方程式(系)が非負値非自明な全域解を持つための必要条件、十分条件を確立した。また関連した結果としてリュウヴィユ型の定理も得た。
【研究代表者】