精密試料採取手法に基づく北極海の海氷域における硫黄循環像の解明
【研究キーワード】
硫黄循環 / 硫化ジメチル / 海氷 / 北極海 / メルトポンド
【研究成果の概要】
本研究は、本来北極海での観測において海氷環境で行われる予定であったが、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、予定していた韓国極地研究所のアラオン号による北極海航海に参加の見通しが立たなくなった。アラオン号での観測が可能となるまで本研究費を延長する可能性も検討したが、今後状況が早急に改善される可能性が低いと判断し、本研究は北極海の海氷環境に近しい環境である北海道サロマ湖において同様の観測をおこなうこととした。2021年2月から3月にかけて行われた予備観測の結果を受け、2021年度は2022年2月から3月にかけてサロマ湖において約1週間の観測をおこない、海氷、海氷下海水を鉛直方向に密に採取した。試料は海氷を鉛直方向に4層に切断して採取し、海氷下海水はバンドン採水器を用いて低塩分層、移行層、高塩分層の3層で採取した。これらの試料のうち、溶存硫化ジメチル濃度はサロマ湖湖畔のネイパル北見の実験スペースにおいてガスクロマトグラフを用いて分析を行った。他の試料は硫化ジメチルの前駆体であるジメチルスフォニオプロピオネート(DMSP)、DMSP分解酵素の遺伝子発現の分析のため、ネイパル北見で試料の前処理を行った。未測定の試料は2022年度ので測定する予定である。また、サロマ湖での観測では東海大学の野坂博士も共同で観測をおこない、クロロフィル濃度、バクテリア計数、透明細胞外重合物質粒子(TEP)のデータについて提供をしていただく予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
浜崎 恒二 | 東京大学 | 大気海洋研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)