デジタルエコノミーによる国際分業変容の分析
【研究キーワード】
デジタルエコノミー / 情報通信技術(ICT) / ビッグデータ / 国際分業 / グローバリゼーション / デジタル通信技術(ICT) / 情報通信技術(ICT)
【研究成果の概要】
(課題1)デジタルエコノミーによる企業の立地と国際貿易の変容:①東アジア地域の電子商取引の現状と政策課題に関する共同研究の成果を15章からなる書籍として取りまとめた。②国の間で越境電子商取引の利用率に大きな違いが生じる要因について検討した。③越境電子商取引の浸透は新型コロナの国際貿易に対する影響を緩和すると推測されるが、その推測を実証的に検証した。④ゲームコンソールを代表例とするプラットフォームに、サービス提供者と消費者が同時に参入する二面市場を考え、プラットフォームの並行輸入許可の効果を理論的に分析した。⑤経済産業研究所で別途実施した日本の企業に対するデジタル・データの越境移転に関するアンケート調査結果を、政府統計(企業活動基本調査)のミクロデータとリンクさせて統計的分析を行った。⑥デジタル化の進展はデジタル化された財・サービスや生産要素の輸送コストを大幅に低下させるが、この特徴を取り入れた理論モデルを構築した。
(課題2)デジタル技術の発達に伴う国内的・国際的コンフリクト:①多国籍企業の移転価格操作に関してOECDが定めたアームズレングス原則が、タックスヘイブンが存在する場合に無形資産のライセンス戦略や経済厚生にどのような影響を及ぼすかを理論的に分析した。②デジタルエコノミー下では企業の立地選択が容易になるが、多国籍企業誘致のための政府間税率引下げ競争の理論的フレームワークを新たに提示した。③ロボット化と人工知能の採用が労働市場に与える影響を分析するためグローバル・バリュー・チェーンを組み込んだ国際貿易モデルを構築した。④コロナ禍でデジタル経済がどのように浸透しているかについて1万人を対象にNIRA総研と共同調査を行った。⑤メコン地域の長期的開発戦略を検討する中で、デジタル技術の利用によって包括的かつ持続可能な経済成長をどのように実現していくのかを分析し政策提言を行った。
【研究代表者】