英語翻訳における日本近現代文学の正典(キャノン)形成の研究
【研究キーワード】
近現代日本文学 / 翻訳 / 冷戦期 / 日本近現代文学 / 英語訳 / 冷戦 / キャノン / 世界文学 / 村上春樹 / 国際文学
【研究成果の概要】
本研究は、日本近現代文学が英語翻訳を通して世界の主要な文学(キャノン)になっていく過程を、英語翻訳の生産・出版・流通の側面から解明することを目的とし、1) 戦後占領期および初期冷戦期における英語翻訳のキャノン形成 2) 村上春樹をはじめとする現代作家の英語翻訳によるキャノン変容という二つの研究領域を視野に入れていた。1)の領域に関しては、昨年のコロナ禍で遅れていた1950年代の日本文学の英語翻訳に関する資料調査を、冷戦期のUNESCOの翻訳推進施策を中心に研究分担者である塩野が行い、基礎的資料の収集は順調である。また、研究分担者辛島ディヴィッドは、村上春樹を含む日本の現代作家の翻訳者6名にインタビューを行い、その領域における成果を日本の文芸誌に寄稿するとともに、早稲田大学国際文学館のサイトおよび海外のシンポジウムにおいて英語で口頭発表している。さらに、研究代表者の榊原は大東文化大学日本文学会春季大会において「翻訳が開く扉ー日本文学の英語翻訳を考える」と題した基調講演を行ったほか、2)の領域における現代作家と翻訳についての発表を二本行っている。また、最終年度に向けて日本文学の英語翻訳のキャノン化についてのシンポジウムを企画しているが、その下準備として「翻訳と文学」研究会を立ち上げ、10月30日に第一回の研究会を行った。佐藤ロスベアグ・ナナ編『翻訳と文学』に寄稿した林圭介氏を招いて氏の論文「五つの「ぼく」たちー村上春樹文学を世界文学に変える『図書館奇譚』」についての議論を行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
辛島 デイヴイツド | 早稲田大学 | 国際学術院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
塩野 加織 | 早稲田大学 | 文学学術院 | 招聘研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)