日本語ピッチアクセントの音響的多次元性とその知覚における役割の解明
【研究キーワード】
日本語 / ピッチアクセント / 単語韻律 / 音声産出 / 音声知覚 / 二次元的音響特徴 / 日本語ピッチアクセント / 二次的音響特徴 / 音響的多次元性 / 頑健性
【研究成果の概要】
本研究は、音韻情報の冗長性やそれによって担保される音声コミュニケーションの頑健性に注目しながら、日本語(ここで日本語という場合には、全て東京方言 を指すものとする)の単語韻律の音響特徴を同定することを目的としている。具体的に検証する問いは、次の3点である。1)アクセント型の違いは、日本語ピッチ アクセントの微細な音響特徴にどのような影響を与えるか、2)発声法の違いによって、日本語ピッチアクセントに音韻相補関係は生じるか、3)連続母無声化の起 こり得る音韻環境と起こらない音韻環境では、日本語話者の日本語ピッチアクセントに関する表象(representation)は異なるか。これらの課題に取り組み、本年度の2021年度は、主に以下の成果を得た。
(1)昨年度に行った音声データのラベルづけ、統計分析の結果をまとめて、9月の日本音響学会研究発表会で口頭発表を行った。発表では、聴講者より関連した先行研究の紹介や、発表内容について興味深いコメントがあり、今後の研究方針を決めるのに多いに役立った。
(2)5月にthe Acoustical Society of America(アメリカ音響学会)の学会誌(the Journal of the Acoustical Society of America)に論文を投稿し、査読結果をもとに論文を修正した結果、10月の学会誌に論文が掲載された。査読の過程で、査読者より参考になるコメントが多くあり、これらをもとに次の研究を計画している。
上記(1)と(2)に示したように、いずれの研究も、それらをさらに発展させる研究を実施している。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)