深層学習を用いたテレビの内容分析の革新:政治家の顔検出とトラッキング
【研究キーワード】
深層学習 / テレビの内容分析 / 顔検出 / 顔トラッキング / 政治コミュニケーション
【研究成果の概要】
新型コロナウイルスの蔓延に伴う入国制限によりポスドクの採用が遅れたが、2021年5月に採用できたことにより研究が加速した。まず、研究計画における第一フェーズに相当する、顔検出アルゴリズムの改良に取り組んだ。その際、バリデーションに用いる目視アノテーションデータの精度を高めるため、再度サンプリングされたNHK News7のデータのアノテーションを外部に委託して行った。この新しいアノテーションデータの作成により、顔検出・トラッキングアルゴリズムの精度を有意に高めることに成功した。したがって研究計画の第一フェーズは達成された。さらに、改良されたアルゴリズムを用いてNHK News7における首相の登場時間の過去20年間における推移、首相と野党党首の登場時間の比の推移、および国政選挙時における日毎の党首登場時間の推移の分析を行い、その結果をコミュニケーション研究のトップカンファレンスであるInternational Communication AssociationのComputational Methods Divisionに投稿し、採択された。発表は2022年5月にオンライン上で行われる。また、2022年1月には国内の政治学のワークショップであるThe Japanese Society for Quantitative Political Scienceでも発表を行い、社会科学者から有益なフィードバックを得た。さらに、研究計画の第二フェーズではNHKと民放のニュース番組における政治家の登場パタンの違いを検討するため、テレビ朝日の報道ステーションのデータをサンプリングし、NHKと同様のアノテーションデータを作成した。これにより第二フェーズの分析に必要なデータが整った。現在は第一フェーズにおける顔検出・トラッキングアルゴリズムの改良についての英語論文をまとめている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
松井 勇佑 | 東京大学 | 大学院情報理工学系研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
佐藤 真一 | 国立情報学研究所 | コンテンツ科学研究系 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-07-30 - 2023-03-31
【配分額】25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)