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京都大学 研究Discovery Saga
2026年7月31日

豊富な元素資源カリウムを活用した新しい有機合成法を開発

―有機カリウムを用いる元素戦略型物質製造―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
入手容易な原料であるアルキンから有機カリウム化合物を発生させ有用物質の合成に利用する新手法を開発
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
アルカリ金属/元素戦略/カリウム/リチウム/立体化学/アルキン/有機合成
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

研究者情報

研究者名
依光 英樹

京都大学 教育研究活動データベース 

研究者名
黒木 尭

京都大学 教育研究活動データベース 

 概要

周期表の一番左に位置するアルカリ金属は、我々の生活に欠かせない元素です。中でもリチウムは特に重要であり、炭素とリチウムの間に結合をもつ「有機リチウム」は現代の有用物質製造を支える重要原料です。一方でリチウムの社会的需要が飛躍的に高まる中、産業上重要な戦略元素であるリチウムを使わない物質製造法の開発が急務となっています。アルカリ金属の中でも地球上に豊富に存在するカリウムを用いる「有機カリウム」を利用した物質製造プロセスは有望に思えますが、その制御が非常に困難でありこれまで実現されていませんでした。京都大学大学院理学研究科 依光英樹 教授、黒木尭 同特定准教授、張紫薇 (ちょう しび)同博士後期課程3年の研究グループは、入手容易な原料であるアルキンから有機カリウム化合物を発生させ有用物質の合成に利用する新手法を開発しました。取り扱いが難しく、物質製造への利用には適さないものと思い込まれていた有機カリウムの未知の性質を引き出し、従来のリチウムを用いる手法では入手困難であった有用物質の効率的合成に成功しました。
 本研究成果は、2026年7月30日(木)午前0時(日本時間)に米国の国際学術誌「Chem」にオンライン掲載されました。
画像

研究概要図(作成:黒木尭、ChatGPT-5.5による描画支援を利用)

研究者のコメント
「これまでに有機合成でほとんど使われてこなかった有機カリウムを駆使した新たな変換反応を開発しました。扱いの難しい有機カリウムを使って研究することに私自身も最初は苦戦しましたが、今ではうまく手なずけることができるようになり、さらには今回の立体化学の逆転の発見につながりました。この常識破りの逆転現象は有機カリウムに特有で、有機カリウムをあえて使用した甲斐がありました。」(張紫薇)

詳しい研究内容について

豊富な元素資源カリウムを活用した新しい有機合成法を開発―有機カリウムを用いる元素戦略型物質製造―

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.chempr.2026.103186

【書誌情報】
Ziwei Zhang, Takashi Kurogi, Hideki Yorimitsu (2026). Organopotassium for selective synthesis: Potassium-mediatedanti-borylfunctionalization of alkynes.Chem, 103186.

関連部局

理学部・理学研究科