
ゲノム情報を守るタンパク質の機能を解明
〜機能ドメインがなくても働くSquash〜
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | AIを活用した仮説生成と実験検証がタンパク質の機能解析を促進することを期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
人工知能(AI)/piRNA/タンパク質複合体/機能ドメイン/生殖/前駆体/転移因子/ゲノムの安定性/構造予測/トランスポゾン/生殖細胞/ゲノム情報/機能解析/小分子RNA/分子機能/卵巣/RNA/ショウジョウバエ/ゲノム
この研究の主な対象者企業・研究者の方
公開日
研究者情報
研究者名甲斐 歳恵
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名
河口 真一
京都大学 教育研究活動データベース
概要
京都大学大学院生命科学研究科 甲斐歳恵 教授(兼:大阪大学大学院生命機能研究科 教授)、 大阪大学大学院生命機能研究科 河口真一 助教(研究当時、現:京都大学生命科学研究科 特定講師)、徐鑫 同博士課程学生(研究当時)らの研究グループは、生殖細胞のゲノム情報を守るpiRNA経路の因子Squash(Squ)の機能を新たに解明しました。動物の生殖細胞では、PIWI-interacting RNA(piRNA)と呼ばれる小分子RNAが、ゲノムを不安定化させる転移因子(トランスポゾン)の活動を抑制しています。本研究では、ショウジョウバエ卵巣をモデルとして、これまで機能が不明であった非ドメインタンパク質Squの分子機能を解析しました。その結果、SquはRNAヘリカーゼSpindle-Eの補因子として働き、piRNA前駆体の処理を促進すること、piRNA経路の中心因子AGO3タンパク質の安定化にも必要であることを見出しました。即ち、SquはpiRNAを効率的に産生するピンポンサイクルを維持する重要な制御因子であることがわかりました。本成果は、機能ドメインを持たないタンパク質でも、特異的な相互作用を通じて機能を発揮することを示し、生殖細胞におけるゲノムの安定性を維持するメカニズムの理解に貢献します。本研究成果は、2026年7月20日午後2時(GMT)に米国の国際学術誌「iScience」にオンライン掲載されました。

研究者のコメント
「本研究は、AIプログラムであるAlphaFoldを用いたタンパク質複合体の構造予測から実験的検証へとつながった事例でもあり、AIを活用した生命科学研究の有効性を示す成果でもあります。今後、このようなAIを活用した仮説生成と実験検証がタンパク質の機能解析を促進することを期待しています。」(河口真一)
詳しい研究内容について
ゲノム情報を守るタンパク質の機能を解明〜機能ドメインがなくても働くSquash〜書誌情報
【DOI】https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.116920
【書誌情報】
Xin Xu, Taichiro Iki, Shinichi Kawaguchi, Toshie Kai (2026). Squash enables Spindle-E-dependent heterotypic piRNA amplification in theDrosophila ovary.iScience, 116920.
京都大学 研究