
カゴメ金属で隠れた相転移を発見
―電子の「電荷」と「スピン」が別々に整列―
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | カゴメ格子を持つ物質では、通常の金属とは異なる電気的・磁気的性質が現れる可能性があり、新しい機能性材料として期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
この研究の主な対象者企業・研究者の方
公開日
研究者情報
研究者名Yoichi Kageyama
ORCID
研究者名
橋本 顕一郎
京都大学 教育研究活動データベース
概要
東京大学大学院新領域創成科学研究科の大西朝登大学院生(研究当時)、影山遥一大学院生(研究当時、現:京都大学大学院理学研究科助教)、石原滉大助教、藤原弘和特任助教(研究当時、現:同大学物性研究所 特任助教)、谷内敏之特任准教授(研究当時、現:同大学物性研究所 特任准教授)、橋本顕一郎准教授(研究当時、現:京都大学大学院理学研究科教授)、芝内孝禎教授、同大学物性研究所のCédric Bareille特任研究員、名古屋大学大学院理学研究科の山川洋一講師、紺谷浩教授らは、米ライス大学との共同研究で、カゴメ格子を持つCsCr3Sb5(セシウム(Cs)、クロム(Cr)、アンチモン(Sb)からなる金属化合物)において、新しい隠れた電子秩序を発見しました。近年注目されているカゴメ格子物質の一つであるCsCr3Sb5は、55ケルビン(K)付近に単一の相転移が報告されていたものの、その起源は未解明でした。本研究では、55Kより高温の64K付近で、新たな相転移が存在し、電子の「電荷」と「スピン」が別々に異なる温度で秩序化することを明らかにしました。これは、クロムをバナジウム(V)に置き換えたCsV3Sb5とは異なる性質で、カゴメ格子で起こる電子秩序の多様性を示すものです。
また、CsCr3Sb5では圧力下で電子秩序が抑制されたときに超伝導が生じることが知られており、本結果はその機構の解明にも重要な知見を与えるものです。
本研究成果は2026年7月17日付けで、英国科学誌Nature Communicationsにオンライン掲載されました。

京都大学 研究