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京都大学 研究Discovery Saga
2026年7月16日

耳介の神経が肺炎症に関わる仕組みを発見

―迷走神経耳介枝を介した炎症調節―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
皮膚からの外界刺激が内臓の免疫応答に影響する仕組みを示すもので、経皮的神経刺激が免疫応答に及ぼす影響を理解する基礎的知見となることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学医歯薬学
【Sagaキーワード】
神経ペプチド/感覚神経/光遺伝学/マウス/神経細胞/迷走神経/免疫応答/免疫細胞/薬理学/アレルギー/サイトカイン/遺伝学
In other languages English この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

研究者情報

研究者名
渋谷 倫太郎

京都大学 教育研究活動データベース 

研究者名
椛島 健治

京都大学 教育研究活動データベース 

概要

 渋谷倫太郎 医学研究科助教、椛島健治 同教授、Brian S. Kim マウントサイナイ医科大学(Icahn School of Medicine at Mount Sinai)教授らの研究グループは、耳介皮膚に分布する迷走神経の感覚入力が、肺のアレルギー性炎症を抑える神経免疫機構に関与することをマウスで明らかにしました。
 迷走神経は内臓の状態を脳に伝え、内臓機能や炎症を調節する神経として知られています。一方で、迷走神経は、例外的に耳介の皮膚にも枝を伸ばしていますが、その生理的役割は十分に分かっていませんでした。本研究では、神経トレーシング、薬理学的操作、化学遺伝学、光遺伝学を組み合わせ、迷走神経に含まれるTRPV1陽性感覚神経を耳介皮膚から刺激すると、肺の2型炎症に関わる免疫細胞やサイトカインが低下することを示しました。この抑制効果には、神経ペプチドであるCGRPβが必要でした。本成果は、皮膚からの外界刺激が内臓の免疫応答に影響する仕組みを示すもので、経皮的神経刺激が免疫応答に及ぼす影響を理解する基礎的知見となることが期待されます。
 本研究成果は、2026年7月15日に、国際学術誌「Immunity」にオンライン掲載されました。
画像

マウスの迷走神経節では、耳介皮膚へつながる感覚神経細胞(緑)と、肺へつながる感覚神経細胞(マゼンタ)が認められ、一部の細胞は互いに近接している(白丸)。作成・撮影者:渋谷倫太郎(Brian Kim研究室)

研究者のコメント
「本研究は、皮膚に入る外界からの刺激が、離れた内臓の炎症にどう影響するのかという素朴な疑問から始まりました。そこで、迷走神経耳介枝という生理的役割がよく分かっていない神経に着目し、マウスでの検証を開始しました。耳介皮膚と肺をつなぐ神経免疫の仕組みを示せたことは大きな一歩ですが、ヒトの病気に応用するには慎重な検証が必要です。今後も基礎研究を通じて、炎症を制御する新しい考え方を育てていきたいと思います。」(渋谷倫太郎)

詳しい研究内容について

耳介の神経が肺炎症に関わる仕組みを発見―迷走神経耳介枝を介した炎症調節―

関連部局

医学部・医学研究科