子ども期の逆境体験が成人の心身の健康に及ぼす影響に関する縦断的コホートの比較研究
【研究分野】応用健康科学
【研究キーワード】
隠された傷跡 / 認知行動科学 / Systematic Review / 精神神経内分泌免疫学 / 予防医学 / Virtual Reality / レジリエンス / 生産性向上 / リラクゼーション / ネットいじめ / 集団認知行動療法 / ランダム化比較試験 / ホルモン / 逆境体験 / 心理社会的ストレス / 健康 / バイオマーカー / 予防介入 / ストレス / いじめ / 出生コホート研究 / 社会的コスト / 心身の健康増進 / Well-being / 生物学的指標 / 予防教育 / こころの健康 / ライフコース・アプローチ / 縦断コホート / 虐待 / メンタルヘルス / 生涯発達 / コホート
【研究成果の概要】
英国国家プロジェクトとして、数万人規模で行われる複数の出生コホート研究に参加し、データ解析や次回測定へのConsultationを受けている。縦断的な出席コホートデータを用いて、子ども期の逆境体験[虐待、いじめ、貧困(養育者の低い社会経済的地位)、本人の 精神・行動障害(抑うつ・不安・精神病症状・自傷・希死念慮等)、養育者の精神障害等]が成人に至る一生涯の健康・生活への影響を立証するために生涯発達の 視点から検討を続けている。今年度も、英国ロンドン大学で行われる世界中の共同研究者との研究会議に定期的に参加し、解析・公表や次の計測計画について議論している。米国Duke Universityと英国King's College Londonとの共同研究で英国の大規模な双生児コホート( the Environmental-Risk (E-Risk) Longitudinal Twin Study)を用いて、さまざまな遺伝的素因を統制しても、なお純粋に環境的要因として思春期までの逆境体験が自傷・自殺の思考と行動へ影響を与えていることを、双生児法を用いた頑健な統計的検討で初めて明らかにした(Baldwin JR et al, 2019)。逆境体験の一部は予防対策によって可変性のある環境要因であり、思春期における自傷・自殺へ寄与は確実であることを示し、今後の若者への健康施策・予防対策に寄与する結果である。こうした示唆を含めて、レジリエンスや生産性向上を目指した集団認知行動療法やリラクゼーション法などの予防介入を用いて、ランダム化比較試験など科学的エビデンスの高い研究デザインで効果実証する必要性を示した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2021-03-31
【配分額】16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)