多孔質内超臨界二酸化炭素の流動現象解明に基づく長期安定型地下貯留の実現
【研究分野】環境技術・環境材料
【研究キーワード】
二酸化炭素 / 地球温暖化 / 地下貯留 / MRI / コア解析 / CO_2 / 岩石 / 飽和度
【研究成果の概要】
平成15年度においてMRIを用いた岩石内を流動する超臨界CO_2を直接可視化できることが明らかとなった.平成16年度はこれらの知見を基に,計測の高度化を行うとともに,計測結果を基に,定量的な解釈を試みた.
第一に,平成15年度に用いたスピンエコー法による可視化手法を用いると計測時間が1分程度度と長くなり,時間分解能が足りなくなる.一方,円筒形の岩石コアに圧入されたCO_2は流れ水平面方向に均一であることが確認されている.よって,これを解決するために,スピンエコー法の中で,プロジェクション法と呼ばれる,水平面内にMR信号を積分して取得する方法を適用し,計測の高速化を図った.これにより,約10秒間隔でのデータの取得が可能となった.
次に,地下900mに相当する高温高圧条件に置いて,CO_2の圧入過程をMRIを用いて計測した.これらのデータを基に,Goodfieldらが提案しているデータ解析手法の適用を行った.隔離したCO_2の長期挙動予測には漏洩を誘発する浮力の影響と漏洩を防ぐキャップロックの毛管圧の効果を正確に把握する必要がある.しかしながら,従来の計測方法ではこれらを独立して評価することが困難であった.本研究では,岩石内の任意の位置における飽和度をMRIにより時系列データとして取得することにより,これまでの手法では分離が困難であった,粘性,浮力,毛管圧の効果を区別して解釈することが可能であることを実験的に示した.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】3,700千円 (直接経費: 3,700千円)