東アジアと東南アジアを中心とする軍隊の歴史人類学的研究
【研究分野】文化人類学・民俗学
【研究キーワード】
軍隊 / ジェンダー / 表象 / アジア / 地域社会 / 東アジア / 東南アジア / 沖縄 / トランスナショナリテ / メディア / 教育 / トランスナショナリティ / メデイア
【研究成果の概要】
本研究は、歴史人類学的視点から東アジアと東南アジアを中心とする軍隊を、その社会・文化的文脈において理解することを目指した。
本研究の成果としてとくに強調しておきたいのは、フィールドワークや一次資料に基づき、アジアの軍隊とその社会・歴史的文脈についての実証的な考察を深めたことである。その成果は数多くの出版物や報告によって明らかである。分担者の間で共通して認められるのは、軍隊研究は、軍隊が国家の制度であるにもかかわらずたんに一国内で理解できるものではない、という認識である。在日米軍、自衛隊、グルカ兵など、置かれている状況は異なるにせよ、国際的な背景を考慮して考察を深める必要があることが明らかになった。
軍隊と地域社会との関係を考察しようとする本研究のパイオニア的活動は、内外の研究者から注目を浴びた。また類似のテーマに関心を持つ若手研究者にとって本研究会が主催する件空海は刺激的な研究の場になった。
外国の研究者との交流を深めるため三沢で国際シンポジウムを開催した。社会還元との関係でとくに強調しておきたいのは、このシンポジウムの前日に行われた公開講演会である。また、北海道で開催された日本文化人類学研究大会では、外国から研究者を招聘しパネルを組織した。さらに、2007年4月に京都で国際会議を開催した。これは、本研究の活動期間終了直後に行われたものである。ここでの代表者と分担者の報告は本研究の成果に基づく。こうした活動を通じ海外の研究者とのネットワークを確立することに成功した。今後は、このようなネットワークを活用しつつ、軍隊のトランスナショナルな性格を歴史人類学的視点から研究したい。
【研究代表者】