微小血管節区分の発生学的研究
【研究分野】解剖学一般
【研究キーワード】
微小血管 / 節的分化 / 血管平滑筋 / 周細胞 / 電子顕微鏡 / 発生 / 形態発生分化 / 腫瘍血管 / 走査型電子顕微鏡 / 透過型電子顕微鏡 / 節区分 / 腸管膜 / 乳腺 / 腫瘍 / 合成樹脂鋳型
【研究成果の概要】
本研究は微小血管を中心に、血管新生増殖機序と節的形態分化の過程を明らかにすること目的としたものである。研究には、妊娠期〜授乳期にかけての乳腺、胎生期〜新生期レンズ血管層、DMBA誘発乳腺腫瘍、腸管膜を用い、組織切片の透過型電子顕微鏡による観察に加え、血管の合成樹脂鋳型法及び、血管周囲結合組織の選択的除去法による走査型電子顕微鏡による観察を行い、血管構築、血管壁細胞の形態と微細構造の発生学的検索を行った。
これらの研究から、血管新生は主として毛細血管の出芽により起こるが、レンズ血管層においては既存の血管から独立した血管芽細胞が関与する可能性があること、血管の成長と血管網形成は、毛細血管の縦方向への成長、出芽部位の伸長とその端-端吻合によること等が示唆された。レンズ血管層の研究では、毛細血管周細胞は硝子体細胞に由来する可能性があることを示した。乳腺腫瘍の研究から、微小血管各節における血管平滑筋細胞と周細胞の形態分化は、各々の血管の成長方向によって規定されることを示唆した。
血管内皮細胞、平滑筋細胞周細胞の発生学的研究については、微小血管の成長分化と血流動態との関係について、干渉位相差顕微鏡による観察、免疫組織学的検索を進めている。
本一連の研究成果を図書‘Ultrastructure of Smooth Muscle'の一節にまとめて出版した(業績参照)。
【研究代表者】