小脳特異的な低域値型カルシウムチャネルノックアウトマウスの作製と機能解析
【研究分野】神経科学一般
【研究キーワード】
カルシウムチャネル / マウス / 細胞特異的ノックアウト / Cre-loxPシステム / 小脳 / プルキンエ細胞 / カルシウムチャンネル / Cre-1oxpシステム
【研究成果の概要】
本研究では、低閾値型カルシウムチャネルα1Gの小脳機能における役割を明らかにするため、α1G遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの作製を目的としている。昨年度、相同組み換えを生じた2種のES細胞クローンを用いて、キメラマウスの作製を行ったが、どのクローン由来のキメラマウスも生殖系列へのES細胞伝達を示さなかった。今年度は、昨年作製したターゲッティングベクターの相同組み換え領域を2kb延長して、再度ES細胞で相同組み換え体をクローニングした。その結果、おおよそ1%の確率で相同組み替えを生じたES細胞がクローニングできた。クローニングしたES細胞を用いて、マウス胚盤胞へのインジェクションを行ったところ、現在、ES細胞の寄与率の高いキメラマウスが誕生している。今後はこのキメラマウスを野生型マウスと交配してヘテロマウスを作製する予定である。さらに、小脳プルキンエ細胞特異的にα1G遺伝子を欠損させるため、プルキンエ細胞特異的にCre組み換え酵素を発現するトランスジェニックマウスのベクターの作製も行った。今後は、このベクターを用いてトランスジェニックマウスを作出し、上記のヘテロマウスと交配させる予定である。さらにα1Gサブユニット特異的な力価の高い抗体が存在しないため、α1G細胞内ループ領域を抗原タンパクとして大腸菌で合成し、ウサギを用いてポリクローナル抗体の作製を行った。作製し精製した抗体は、Western blot法により小脳抽出物中のα1Gサブユニットだと考えられる260kDaのバンドを特異的に認識した。今後は、ノックアウトマウスの解析に有効に使いたいと考えている。
【研究代表者】
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2001 - 2002
【配分額】2,000千円 (直接経費: 2,000千円)