哺乳類の新規骨髄由来間葉系幹細胞とユニバーサルマーカーの探索
【研究キーワード】
骨髄脂肪細胞周囲細胞 / フローサイトメトリー / 哺乳類 / マルチカラー解析 / 間葉系幹細胞 / 骨髄脂肪細胞 / ユニバーサルマーカー
【研究成果の概要】
本年度は、新たにマウスおよび猫における骨髄脂肪細胞周囲細胞(BM-PACs)の存在を検討した。その結果、猫骨髄中には脂肪細胞に付着する小型の細胞集団を同定でき、これらを天井培養すると高い増殖能を示す線維芽細胞様細胞を得たことから、猫においてもBM-PACsが存在することが明らかとなった。しかし、得られた細胞が少なく、骨・軟骨・脂肪細胞への多分化能の検討については、十分な確認ができなかった。また、猫のBM-PACsの分離・培養と同時に従来法による骨髄間葉系幹細胞(BMMSCs)の培養をおこなったが分離効率が低く、猫でも犬と同様にBM-PACsのコロニー形成能はBMMSCsと比較して優れていた。したがって、BM-PACsは猫においても幹細胞治療の移植材料として有用な細胞であると考えられた。一方、マウスにおいては、個体が小さいこともありBM-PACsの分離・培養が困難であった。現在、骨髄の灌流による骨髄内組織の回収を行なっているが、今後、骨の破砕による骨髄内組織の回収を試みることで、マウスBM-PACsの分離・培養が可能かをさらに検討する予定である。
研究分担者との共同研究として進める予定であった、フローサイトメトリーのマルチカラー解析を用いたBM-PACsとBMMSCsの比較を通した表面抗原解析および特異的抗原の探索については、コロナ禍の影響が引き続き、進捗が得られなかったため、研究期間を延長し、次年度体制が整い次第共同研究として進める予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
馬渕 洋 | 東京医科歯科大学 | 大学院医歯学総合研究科 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2020-07-30 - 2023-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)