非線形分布システムのモデリングと制御
【研究分野】計測・制御工学
【研究キーワード】
半群 / 慣性多様体 / 非線形最適制御 / 多層ニューラルネットワーク / 最急降下学習法 / 大域的最適化 / 区分線形モデル / ファジィ制御 / 分布定数システム / 非線形制御 / ファジィモデル / ニューラルネット / 非線形システム / 安定化 / 分布定数系 / 半線形システム / 境界制御
【研究成果の概要】
本研究は、非線形分布定数システムのモデリングと制御システム設計に関して(1)半群理論,(2)ニューラルネットワークとアレイ変数の利用,(3)ファジィモデルによる方法,の3つのアプローチによる考察を行った。
(1)については、モード安定化制御器の設計に関して、非線形摂動下の線形半群モデルを用いて有限次元線形補償器の構成法と摂動へのロバスト性を明らかにした。また、線形主要部のスペクトル間隔に関するある条件のもとで、制御系(剰余モードフィルタを含む補償器+半線形システム)に対して慣性多様体の存在が示され、この事実に基づく新手法により安定化を議論した。
(2)については、再急降下学習アルゴリズムを実行するとき、アレイ変数演算を導入して効率よく最適化計算を遂行できることを明らかにした。ニューラルネットをさらに一般化した有限要素ネットワークを提案し、それを用いてシステムのモデリングを行う方法を提案し有効性を示した。また、非線形システムの最適制御問題は、一般に多峰性の評価関数を最小化する問題となるので、カオスを用いた疑似最急降下法を開発し、ニューラルネットで大域的最適化ができることを示した。
(3)については、非線形システムを高木・菅野ファジィモデルとして与え、それに対して状態変数空間における区分ごとの制御系設計をファジィ演算とロバスト制御設計を組み合わせて構成する方法の開発を行った。そのとき、モデル化誤算を考慮するために2次安定性を利用するロバスト制御システム設計法を与えた。
【研究代表者】