情報基盤整備のための戦略的方策に関する国際比較研究
【研究分野】情報システム学(含情報図書館学)
【研究キーワード】
情報基盤整備 / 情報政策 / 情報ネットワーク / 英国 / オーストラリア / シンガポール / フィリピン / アジア・太平洋地域 / 情報インフラストラクチャー / 連合王国
【研究成果の概要】
本調査研究では、アジア・太平洋地域諸国における情報基盤整備を効果的に推進し、国際的な情報流通システムへの参加を促進するための戦略的モデルの開発に必要な情報の収集・分析を行うことを目的とした。そこで、平成6-8年度に「アジア・太平洋地域における学術情報ネットワークの基盤構造に関する調査研究」で実施した現地調査の結果を、情報基盤整備の方策策定の観点から分析し、シンガポール、オーストラリア、フィリピンを対象に選定し現地調査を行った。さらに、欧米先進国の例としてイギリスの調査も実施した。この結果、情報基盤整備に関する政策の枠組みの策定メカニズムは、それぞれの国で異なることが明らかになった。たとえば、シンガポールは政府主導で「IT200」や「Singapore ONE」などの情報化ビジョン・全国マルチメディアネットワーク構想を公表し、その構築・運営にあたり財政面はもとより推進・調整に政府が中心的役割を果たしている。これに対してイギリスでは、教育分野で教育・雇用省が「Connecting the Learning Society: National Grid for Learning」によって学習社会のビジョンと全国ネットワーク形成の行動計画を公表し、また、個人情報の保護の面では政府から独立した機関である Office of the Date Protection Registrar が活動するなど。さまざまな政策・行動計画が広範囲に展開されており、国家情報政策はこのような多様なイニシアチブの総体である。このように各国の政治・文化的背景によりアプローチはそれぞれ異なるが、同時に、調査結果の分析から情報基盤整備のためのアジェンダを構築することができ、これを用いて調査対象国の整備方策を共通の基準で比較概観することが可能となった。これは調査対象国の現状を個別に明らかにできたことと共に、本研究の大きな成果である。今後はさらに他の諸国の調査を継続して実施し、アジエンダの妥当性を検証することが必要である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
竹内 比呂也 | 静岡県立大学 | 短期大学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
金 容媛 | 駿河台大学 | 文化情報学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
田村 俊作 | 慶應義塾大学 | 文学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
DEMPSEY Locan | 英国図書館 | 情報ネットワーク研究所 | 所長 |
MOORE Nick | 英国シテイ大学 | 教授 |
DEMPSEY Loca | 英国図書館情報ネットワーク研究所 | 所長 |
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【研究種目】国際学術研究
【研究期間】1998