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2025年6月16日 月曜日
以下の60大学の研究成果を毎日調査し、速報しています。
白抜き表示は本日の会員向け「知尋」掲載24校。掲載記事数44本。うち黒白抜き表示は本日の公開記事掲載校。
調査対象大学: 北海道大学、室蘭工業大学、帯広畜産大学、弘前大学、東北大学、山形大学、筑波大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学、千葉大学、
東京大学東京科学大学お茶の水女子大学東京農工大学、電気通信大学、一橋大学、横浜国立大学新潟大学金沢大学
北陸先端科学技術大学院大学、福井大学、信州大学、岐阜大学、静岡大学、名古屋大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、三重大学、京都大学
京都工芸繊維大学、大阪大学、神戸大学、奈良女子大学、和歌山大学、島根大学、岡山大学広島大学山口大学、徳島大学、香川大学、愛媛大学、
高知大学、九州工業大学、九州大学、佐賀大学、熊本大学、鹿児島大学、琉球大学、札幌医科大学、福島県立医科大学、会津大学、東京都立大学
横浜市立大学、岐阜薬科大学、京都府立医科大学、大阪公立大学、奈良県立医科大学、慶應義塾大学早稲田大学
工学
九州大学
生命がもつ時計の「0.1ナノメートルの針」が動く瞬間
―時計タンパク質 KaiC のリン酸化反応メカニズムの解明― 先導物質化学研究所 森 俊文 准教授
時計タンパク質KaiCのリン酸化と脱リン酸化、Pはリン酸を表す
自然科学研究機構分子科学研究所の古池美彦助教、尾上靖宏研究員、斉藤真司教授、秋山修志教授、九州大学先導物質化学研究所の森俊文准教授らの研究グループは、生物が体内で時間を計る仕組みである「体内時計」では、「時計の針」を動かすかのように化学反応の進み具合を調節するタンパク質のメカニズムが働いていることを解明しました。本研究は、「タンパク質に秘められた、化学反応をあえて止めたりタイミングを見計らって進めたりする仕組み」を解明する学問的意義が極めて高い研究成果です。
本研究は、米国科学アカデミーが発行する国際学術誌「PNAS Nexus」に、2025年4月28日に掲載されました。
研究の成果
研究グループは、KaiA・KaiBの作用を受けながら時計として機能しているときのKaiCではなく、KaiA・KaiBと混合しない条件でKaiCのみに着目することにしました(図1右)。この一見時間を計っていないように見える単独状態のKaiCにはリン酸を結合する能力がないのではないか、とこれまでは考えられていました。本研究を通して、研究グループは非常にゆっくりながらもKaiCがリン酸を結合できることを突き止めました。これはKaiAやKaiBが混在する複雑な条件ではなく、KaiCのみが存在するシンプルな環境でリン酸の結合、すなわち針が動くメカニズムを調べることができることを示していました。
そこでX線結晶構造解析という手法で明らかにしたKaiCの0.1ナノメートルレベルの内部構造を調べ、リン酸が結合する過程を観察すればそのメカニズムが解き明かせると考えました。研究グループは、計算機内でKaiCとリン酸の結合過程を再現することを試み、分子シミュレーション(1) によって、リン酸とKaiCが互いに動きながら徐々に近づいていく様子を調べました(図2)。リン酸がKaiCに結合する過程を詳細に解析したところ明らかになったのは、KaiC内部に存在するグルタミン酸やアルギニンといったアミノ酸の配置の変化がリン酸結合の合図になっているということでした(図2右)。すなわちKaiCには「針を止めておき、タイミングを見計らって針を動かす」ようなメカニズムが備わっていたのです。
シアノバクテリアの時計タンパク質KaiCのリン酸化にとどまらず、必要なときに化学反応を進め、また不要なときには止めておくといった仕組みは、ヒトを含むあらゆる生物の細胞内にあるタンパク質にも備わっている可能性があります。本研究の成果は、タンパク質など生命を構成する分子に秘められた精巧なタイミング制御の一端を解き明かすものです。
関連分野数物系科学 生物学 農学 医歯薬学
研究キーワード
バクテリア/内部構造/X線結晶構造解析/シアノバクテリア/結晶構造解析/持続可能/持続可能な開発/シミュレーション/ナノメートル/動力学/分子シミュレーション/分子動力学/量子力学/X線結晶構造/リン酸/結晶構造/アルギニン/体内時計/脱リン酸化/アミノ酸/イミン/グルタミン酸/酸化反応
数物系科学
京都大学
超伝導ダイオード効果の新しい背景学理を発見
〜超省電力な情報回路の実現に大きく前進〜
電子工学専攻の永田歌寧 修士課程学生、白石誠司 教授らのグループは理学研究科の栁瀬陽一 教授、松田祐司 教授らと共同で、超低消費な情報回路の構築のために強力な武器となる超伝導体が示すダイオード(整流)効果に関する新しい背景学理を発見しました。超伝導ダイオード効果は2020年に京都大学の研究グループによって発見された新しい効果であり、超伝導体に電流を流す際に、電流を流す方向によって抵抗がゼロの超伝導状態になったり抵抗が有限の常伝導状態になったりする効果を言います。つまり、onとoffの2値状態をゼロ抵抗である超伝導体1つで実現できるため、将来的にこの効果を活かした超省電力な情報回路の実...
関連分野環境学数物系科学総合理工工学農学
研究キーワード
セレン/空間反転対称性の破れ/対称性/超伝導体/熱電効果/磁場/超伝導/空間反転対称性/温度分布/対称性の破れ/結晶構造

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数物系科学
東京都立大学
【研究発表】素粒子ミュオンを使うイメージングや元素分析の研究開発を加速
〜「経済安全保障重要技術育成プログラム」にKEKから3件採択、3件分担
高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、素粒子ミュオンを使った構造物イメージング技術に関する研究開発を加速させます。我が国が国際社会において中長期的に確固たる地位を確保し続ける上で不可欠な要素となる先端的な重要技術について、研究開発及びその成果の活用を推進するため、内閣府主導のもと創設された「経済安全保障重要技術育成プログラム(通称"K Program")」で、科学技術振興機構(JST)が公募した「宇宙線ミュオンを用いた革新的測位・構造物イメージング等応用技術」の実施先の一部として採択されました。実施期間は2024年8月から2029年7月末までの予定です。 研究開発の背景...
関連分野情報学複合領域数物系科学工学総合生物農学医歯薬学
研究キーワード
トラスト/モジュール化/型システム/信号処理/原子力発電所/情報通信/特性X線/カロリメータ/一次宇宙線/原子核/原子核物理学/高エネルギー/物性物理/陽子/J-PARC/ヘリウム/マグマ/ミュオン/加速器/元素分析/素粒子/相転移/中性子/軟X線/宇宙線/衛星/検出器/磁場/素粒子物理/太陽/太陽系/超伝導/半導体検出器/材料科学/リチウムイオン電池/非破壊分析/電池/ウラン/センサー/データ処理/プロトタイプ/マイクロ/リサイクル/リチウム/永久磁石/原子力/原子力発電/原子炉/自動車/人工衛星/津波/電気自動車/電子顕微鏡/半導体/分解能/可視化技術/ホウ素/情報通信技術/高分解能/妥当性/イミン/ICT/スマートフォン

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工学
東京都立大学
【研究発表】農地は耕作放棄された後も防災効果を維持する
 気候変動の影響等によって増大、甚大化する自然災害に対応するために、農地や都市緑地といったグリーンインフラに防災インフラとしての機能を期待する、生態系を活用した防災・減災(Ecosystem based Disaster Risk Reduction :Eco-DRR)という考え方が注目されています。Eco-DRRは、防災・減災にとどまらず、生物多様性の保全をはじめ、人間社会に様々な利益をもたらすことも期待されています。近年、農地が持つ防災・減災効果は広域的な評価が進み、その社会実装に期待が集まりつつあるところです。その一方で、人口減少や高齢化等に伴い、日本各地で農業活動が停止した耕作放棄地...
関連分野情報学複合領域環境学数物系科学工学農学医歯薬学
研究キーワード
統計モデル/マネジメントシステム/都市緑地/グリーンインフラ/自然災害/適応策/気候変動/持続可能/人口減少/人口減少社会/インフラストラクチャー/コンクリート/マネジメント/都市環境/支援システム/防災・減災/土地利用計画/水田/農地/生態系/土砂災害/土壌/土地利用/生物多様性/高齢化

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医歯薬学
東北大学
三世代7人家族158組のDNAメチル化情報の公開
三世代にわたる日本人家系158組の高品質なDNAメチル化*1データセットを構築し、家系員ごとの平均値とばらつきをマルチオミックスデータベース(iMETHYL*2)に公開しました。本データは東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査*3によって得られたもので、児を中心にみた父母・祖父母の7人(ヘプタファミリー)により構成される家系1,093名の、新生児臍帯血*4および成人末梢血*...
関連分野生物学工学農学医歯薬学
研究キーワード
塩基配列/持続可能/持続可能な開発/哺乳類/オミックス/環境要因/コホート調査/生理機能/胎児/分子疫学/臍帯血/マルチオミックス/DNAメチル化/メチル化/血液/DOHaD/アレルギー/ゲノム/コホート/ストレス/遺伝子/疫学/新生児/糖尿病/妊娠/妊婦

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医歯薬学
熊本大学
生殖細胞形成とゲノム防御をつなぐ 新たな仕組みを解明
ショウジョウバエでの生殖質形成を促進する新規母性因子Tppが、トランスポゾン抑制に関与するpiRNAの産生に関わる因子であることが明らかになりました。Tppを欠いた卵巣では、piRNA産生量が減少し、その結果PIWIタンパク質の1つであるAubergineタンパク質の生殖質への局在が不全となり、次世代の生殖細胞形成が阻害されることが明らかになりました。piRNAがトランスポゾン抑制に必要な量よりも過剰に産生されることにより、次世代の生殖細胞においてトランスポゾンによるゲノム損傷を防ぎ、世代を超えて遺伝情報の正確性を保証するメカニズムが存在することが明らかにされました。...
関連分野生物学工学総合生物農学医歯薬学
研究キーワード
piRNA/オルガネラ/遺伝情報/生殖/卵母細胞/胚発生/テンプレート/持続可能/持続可能な開発/ゲノムの安定性/CRISPR-Cas/トランスポゾン/生合成経路/変異体/生合成/生殖細胞/ゲノム情報/CRISPR/小分子RNA/卵巣/mRNA/CRISPR-Cas9/ショウジョウバエ/スクリーニング/精子/ゲノム/遺伝子

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複合領域
岡山大学
論理的思考で“考える力”を育む
― KIBINOVEでロジカルシンキング・ワークショップを開催
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数物系科学
横浜国立大学
横浜国立大学先端科学高等研究院(IAS)が産業技術総合研究所量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)と量子技術の社会実装に関する連携協定を締結
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化学
岡山大学
鈴木大介教授が高分子学会学術賞を受賞
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工学
東北大学
ルイ・パスツールもきっと驚く!? 左右を選別するナノ光ピンセットによる キラル結晶化制御の可能性を示唆
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工学
広島大学
【研究成果】4つの世界記録を樹立!安全なシリコン量子ドットLED、農業や医療応用へ
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工学
埼玉大学
ルイ・パスツールもきっと驚く!?左右を選別するナノ光ピンセットによるキラル結晶化制御の可能性を示唆(大学院理工学研究科 川村隆三 共同研究)
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工学
新潟大学
ルイ・パスツールもきっと驚く!?左右を選別するナノ光ピンセットによるキラル結晶化制御の可能性を示唆
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工学
香川大学
香川大学が「卒業生が活躍している大学」中国・四国地域で総合ランキング1位に!
― 全国ランキングでも20位台に入る高評価 ―
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工学
信州大学
常圧で多量のメタンを貯蔵できるグラフェンバルブカーボンの開発
軽い天然ガス用カートリッジ製造への道を拓く
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工学
広島大学
【研究成果】電気の力でココアバターの結晶をコントロール!
〜美味しくて健康的なチョコレート製造へ貢献〜
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工学
金沢大学
金沢大生が金沢市内イベントに能登復興市を出展
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工学
東京大学
【研究成果】世界最高水準の長寿命超伝導共振器を開発
-量子メモリや誤り訂正の基盤技術として期待-
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工学
東京農工大学
田中正樹助教が「2025年度 花王科学奨励賞」を受賞
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工学
京都大学
次世代半導体中の欠陥からの磁場による発光の増強と単一光子発生
―量子情報通信のためのデバイスの高性能化への新たなアプローチ―
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工学
東京大学
カーボンコートモスアイ構造による超広帯域な完全吸収体
テラヘルツから深紫外までの領域で98%以上の吸収率を実現
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工学
京都大学
エネルギー構造を制御した有機高分子光触媒による高効率CO2変換の実証
―貴金属に頼らない人工光合成系の実現に向けて―
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工学
金沢大学
2025年度能登里山里海SDGsマイスタープログラム入講式を挙行
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工学
早稲田大学
2025年6月6日 次世代交通システム研究所長 森本教授が日本都市計画学会2024年度学会賞(石川賞)を受賞しました
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工学
名古屋大学
ルイ・パスツールもきっと驚く!? 左右を選別するナノ光ピンセットによる キラル結晶化制御の可能性を示唆
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工学
東京科学大学
2025年4月に物質科学と情報科学が融合した新たな複合系コース「物質・情報卓越コース」がスタート
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農学
お茶の水女子大学
立田結希菜さん、 矢口琴望さん、川富唯香さんが情報処理推進機構「未踏ターゲット事業」に採択
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農学
東京大学
AIが生産性に与える影響を、タクシー乗務員のミクロデータで実証
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医歯薬学
東京大学
新型コロナウイルスXBB.1.5型RBDを発現するmRNAワクチンの抗原性の異なるJN.1株に対する有効性の検証研究成果
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医歯薬学
慶應義塾大学
KRAS遺伝子変異が胆道がんの予後不良と治療抵抗性に関連
-革新的な個別化治療戦略への展開に期待-
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医歯薬学
東京農工大学
植物ウイルス増殖の初期過程における複製酵素の局在を生細胞で観察することに成功
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医歯薬学
琉球大学
植物の枝のかたちづくりの仕組みの一端を解明
〜植物の4次元表現型解析でミオシンXIの新たな機能に迫る〜
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医歯薬学
金沢大学
B 型肝炎ウイルスの持続感染を支える ウイルス因子 HBx 複合体の立体構造を解明
―ウイルス遺伝子活性化の分子基盤を可視化―
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医歯薬学
京都大学
1型インターフェロノパチーの超早期診断
―ろ紙血プロテオミクスによる新規診断法開発―
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医歯薬学
東京農工大学
伊藤一陽助教が「日本超音波医学会 第26回奨励賞」を受賞
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医歯薬学
岡山大学
アフリカツメガエルを使ったヒト病原性細菌感染モデル
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医歯薬学
京都大学
生活保護世帯の子どもの入院実態とリスク因子が明らかに
―経済的な支援だけでは子どもの健康が保障されない可能性―
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医歯薬学
早稲田大学
「モヤモヤからワクワクへ解放のための学びの実践研究」文学部矢内琴江准教授(新任教員紹介)
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医歯薬学
京都大学
 幹細胞から作る“胚のようなもの”の研究について国内外で必要な指針と今後の取り組みを提案 
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医歯薬学
京都大学
頭皮脳波の超低域徐波が診断に有用
―もやもや病術後の一過性神経症状での検討―
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医歯薬学
大阪大学
がんの栄養経路を絶つ革新的精密医療を開発
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医歯薬学
名古屋大学
木材を食べるハチとカビとの共生関係に重要な知見
~生態解明のカギとなる新奇形質を発見~
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その他
宇都宮大学
[イベント]187回オプティクス教育研究セミナー「Single-Photon Detection Imaging Technology」を開催します(7/25)
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山口大学
【特集記事】学生たちの青春と成長が詰まった集大成!
―『山口市カフェ&カレー豆本』制作秘話―