「保守化」するインドネシアのイスラーム社会におけるムスリマの装い研究
【研究キーワード】
イスラーム / ムスリマ / ヴェール / 服装 / 女性 / インドネシア / ヒジャーブ / 装い
【研究成果の概要】
本研究の目的は、「保守化」している評される昨今のインドネシアのイスラーム社会における女性たちの装いに着目し、当事者へのインタビュー、テキスト分析、悉皆調査を用いて、女性たちのミクロな語りとその背後にある言説、そして全体像を明らかにすることにある。4年間で実施する研究内容として、A) 首都ジャカルタと地方都市マカッサルの大学生と住民の女性たちを対象に、装いに関する悉皆的調査、B)ニカーブ着用者およびヴェール非着用者への聴き取り調査、語りの分析C)装いの選択や実践を支えるイスラーム的言説分析と設定した。
3年目の2021年度は、コロナの影響で渡航が出来なかったが、ニカーブ着用者へのこれまでの調査結果を分析し、日本語、英語の両方で論文を執筆。英語論文は、『Indonesia and the Malay World』に掲載された。日本語論文も、2022年度に出版される書籍の一章として収録される予定である。(以上、研究内容B関連)。
ヴェール着用に関わるイスラーム的言説を整理し、2021年8月にインドネシア銀行らが主催した国際学会にて「信仰と衣服:神のために装う意味」というタイトルで発表した。同時に、論文「宗教と衣服」を執筆、『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ』に収録された。(以上、研究内容C関連)
さらに、ヴェール着用やムスリム服の広がりとともに顕著になったハラール化粧品のブームに着目し、女性たちの美意識や化粧を施すことに関するイスラーム的言説の分析、コロナ以前に実施したインタビューやハラール化粧品最有力ブランドWardahに関する調査結果を基に論文を執筆した。この論文は『Created and Contested』に収録された。ハラール化粧品ブームについて、2021年9月に実施のICASで英語発表を、同年12月には横浜市立大学ジェンダー研究会にて日本語発表を行った。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)