学習および学習支援を支える「態度」とは:概念の整理・体系化とその育成に関する研究
【研究キーワード】
コンピテンス論 / 態度 / 技能 / 人材育成 / 二人称的アプローチ / ネガティブ・ケイパビリティ
【研究成果の概要】
*2021年度には,文化審議会国語分科会が2019年に公開した「日本語教育人材の養成・研修に必要な資質・能力」のうち,「態度」として示されているものについて検討・再整理を加え,「(1)他者との接し方に関わる項目」「(2) 学習観・教育観に関わる項目」「(3) 教育実践をめぐる熟考に関わる項目」「(4) 組織・社会の改善に関わる項目」の4カテゴリーに再整理を行ったうえで,この再整理に基づき,「態度」を教師研修で扱う際の基本的な考え方を示すとともに,研修のグランドデザインの提案を行った。2022年度にはこうした考察の結果を学会等で発表し広報に努めるとともに,論文としてまとめ学会誌に投稿を行った(2022年度に掲載確定済)。
*「態度」育成のための理論的枠組みがほぼ確立できたため,次の段階として,実際の研修・授業等の場で,「態度」に対して具体的にどのような働きかけが可能なのか,そうした働きかけによって受講者の態度にはどのような変容が現れるかについて,インタビューデータ等の質的分析に基づく考察を開始している。研究代表者は,「「態度」への働きかけは強制になってはならず,あくまでも学習主体の「自発性」に基づく変容が重要である」という主張を行っているが,これまでに収集できたデータとその分析を見る限りでは,そうした「自発性に基づく態度の変容」は十分に可能であることが示されている。こうした考察の一部はすでに論文の形にまとめられ,2022年度中に書籍内の1章として公開できる予定である。
【研究代表者】