細胞周期制御性エクソソームを介した新規骨代謝カップリング因子の探索
【研究分野】口腔科学およびその関連分野
【研究キーワード】
シグナル伝達 / 再生医学 / 発生・分化 / 細胞周期 / エクソソーム
【研究成果の概要】
本研究は、エクソソームを介した細胞間情報伝達機構と細胞周期制御機構に着目して、破骨細胞ならびに骨芽細胞分化を統合的に制御する分子、すなわち、「新規骨代謝カップリング因子」の探索を行い、骨代謝メカニズムの理解を深めるとともに、その結果を利用した新規骨再生治療法開発に向けた基礎的検討を行うことを目的として企画された。
前年度までの研究と同様に、マウス由来骨芽細胞と同破骨細胞を用いて、エクソソームを介した破骨細胞・骨芽細胞間情報伝達機構の存在確認と細胞周期制御ならびに細胞分化への関与を検討した。前年度の実験条件をさらに細かく変更し、骨芽細胞については、通常培養と各分化段階(初期分化段階、中期分化段階、最終分化段階)の細胞からエクソソームを抽出した。また、破骨細胞については、破骨細胞前駆細胞通常培養、分化誘導直後、最終分化後、の各培養条件で培養した細胞からエクソソームを抽出した。骨芽細胞由来のエクソソームを各分化段階の破骨細胞へ、破骨細胞由来のエクソソームを各分化段階の骨芽細胞へ、それぞれ導入し、その後エクソソーム導入が細胞に与える影響を評価した。具体的な評価手法としては、導入細胞における各種分化マーカーの発現と細胞周期制御分子の発現を定量RT-PCRで解析することに加え、形態的な変化も観察した。このように、前年度までの実験結果を参考に、さらにエクソソームのサンプリング時期とその導入時期、細胞培養期間の組み合わせを変えることによってエクソソームを介した骨芽細胞・破骨細胞間情報伝達機構の存在を探った。しかしながら、明確にエクソソームを介した骨芽細胞・破骨細胞間情報伝達機構の存在を示す結果は得られなかった。そのため、網羅的な解析手法を用いて骨芽細胞由来のエクソソームに含まれるマイクロRNAで候補分子となるものを検索開始した。
【研究代表者】