難治性あるいは希少肺癌克服のための肺癌基礎研究臨床応用システムの構築
【研究分野】呼吸器内科学
【研究キーワード】
肺癌 / 臨床検体 / 難治性肺癌 / 希少肺癌 / 遺伝子変異 / 分子標的治療薬 / 耐性化 / 癌
【研究成果の概要】
肺癌は癌死因一位の予後不良の疾患である。近年の分子生物学的解析により肺癌の遺伝子変異などが明らかになり新規治療法開発から肺癌患者の予後は改善しつつある。しかし、それら新規治療法をもってしても進行肺癌患者の多くは診断から数年のうちに肺癌の進行によって死亡する。今後さらに肺癌患者の予後を改善するには、臨床を反映する肺癌の分子生物学的理解が必須である。本研究では難治性あるいは希少な肺癌を克服するためのトランスレーショナル研究システムの構築を行った。具体的には、患者毎に薬剤への耐性化機序を明らかにするとともに、稀な遺伝子変異を有する肺癌に対する新たな治療戦略の開発を行った。
【研究の社会的意義】
近年肺癌領域ではがんゲノム医療が普及し、癌細胞の体細胞遺伝子変異に応じて患者毎に最適な治療薬を選択する個別化医療が可能になっている。しかし、このようにして最適な薬剤が判明した場合であっても多くの患者では肺癌細胞が薬剤に対する耐性を獲得し、患者予後を不良にしている。また、稀な遺伝子変異を有する肺癌に対しては最適な薬剤を選択する手法がなく医療現場における問題となっている。本研究では、患者毎に耐性化機序を解明するシステム、稀な肺癌に対してin silicoで最適な治療薬を選択するシステムを構築した。これら知見は、肺癌領域における個別化医療の質を向上させるものである。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)