スフェロイドを用いた血液脳関門(BBB)モデルの作製
【研究キーワード】
組織工学 / organ-on-a-chip / マイクロ流路 / 血液脳関門
【研究成果の概要】
本研究の目的は、血液脳関門(BBB)構成細胞からなるBBBスフェロイドをマイクロアレイ内に配置して制御し、ハイスループットな薬剤透過性試験を実現することである。医薬品の開発においてヒトBBBの透過性を調べることは重要であるが、高効率に透過性試験を行えるモデルは存在しない。本研究では、BBBスフェロイドとマイクロアレイを組み合せることで、簡便に、多数のサンプルを一度に評価することを目指す。
2年目である2021年度は、マイクロアレイの設計と作製、BBBスフェロイドのマイクロアレイへの配置、マイクロアレイ内外でのBBBスフェロイドへの蛍光物質取り込み試験の予備検討を行った。まず、マイクロアレイの設計については、昨年度作製条件を検討した、市販の2種類のヒト脳血管内皮細胞由来スフェロイドの大きさを基準にして、流路の幅と高さを決定した。高精細3Dプリンタを用いて作製した鋳型を用いて、ソフトリソグラフィの手法でアレイを作製したところ、スフェロイドのアレイ内への配置に成功した。マイクロアレイ内のBBBスフェロイドに対し、薬剤取り込み試験の予備検討として、流れ条件あり・なしで蛍光物質を投与したところ、経時的にスフェロイド内の蛍光強度が増大することを認めた。また、作製したBBBスフェロイドがBBBの生理学的特徴を備えているかどうかを確認するために、マイクロアレイ外で、成長因子等の培養条件に依存して蛍光物質透過に対するバリア機能が変化するかどうかを調べた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)