紅河デルタ村落同族集団に関する社会歴史調査
【研究分野】東洋史
【研究キーワード】
ベトナム / 農村 / 習俗 / 合作社 / 同族集団 / 地方文書 / 生態 / 歴史 / 水利
【研究成果の概要】
1 旧バックコック村を中心とする歴史調査により以下のデータが収集された。
(1) 碑文資料を初めとする大量の漢文の地方文書が収集され、16世紀以降ベトナムの村レベルの歴史の解明の手がかりが得られた。
(2) 革命前から革命後にかけての地主の土地集積に関する資料が発見され、革命初期の土地政策を解明する有力な手がかりが得られた。
(3) 考古学的発掘により、11-12世紀の李朝期段階と思われる大量の陶器が発掘され、居住史の解明が大きく進展した。
(4) 古老の聞き取り調査によって1930年代後半から現在にいたる、公式文献には現れない村の状況に関するデータが収集された。また、革命前の習俗及び伝統的教育についての情報が収集された。
(5) 調査村の風水上の位置づけに関する資料が収集された。
(6) 1945年飢饉が村に与えた被害に関するデータが集められた。
2 コックタイン合作社に関する社会調査の結果次のデータが得られた。
(1) 合作社の下意単位である生産隊の隊長へのインタビューを通して、その機能が明らかになった。
(2) 合作社の変容過程について最新資料が収集された。合作社の権限の縮小と行政村への権限の移行に関する具体的な情報が得られた。
3 同族集団ゾンホについて下記のデータが得られた。
(1) 祠堂の立地を確認し、地図に落とした。
(2) ブイ・ゾアン族の18世紀の分節に関する情報が得られた。
(3) ブイ・フイ族およびグエン・コン族の移住に関するデータが得られた。
4 地域環境について下記の情報が得られた。
(1) 村の測量を完了し、地図を完成した。
(2) ナムディン省一帯の水利システム調査を行った。
(3) 水田の土壌採集、ハンドオーガーによる地質調査を行い、土壌サンプルを持ち帰った。
【研究代表者】