磁気共鳴画像診断(MRI)における高速スピンエコー法の開発と臨床応用
【研究分野】放射線科学
【研究キーワード】
MRI / 高速スピンエコー法 / 高速スピンエコ-法
【研究成果の概要】
1.新しい撮像法の開発
RF type echo planar 法の一つである RARE法をもとに,これに改良を加えて臨床的に有用性の高いT2強調画像を短時間で撮像可能な高速スピンエコー法を開発し,さらにこれを汎用商用MR装置上に実装した.
2.安全性
通常の使用法においては,人体への熱エネルギーの蓄積はほとんどなく,一般的な規制の範囲内であることを確認した.
3.臨床的有用性
数百例以上の頭部およぶ腹部の症例に応用し,従来のスピンエコー法と比較して,すべての面において同等以上の画像を,1/16〜1/4の撮像時間で得ることができた.撮像時間が短縮したことにより,高SN比,高T2強調度,高解像度の画像を容易に得ることが可能となり,臨床的有用性がきわめて高いことが示された.
4.従来法との比較
通常のスピンエコー法,グラジエントエコー法と比較して,画像コントラストの異同について検討し,大部分の症例において従来法より優れていることが示された.
5.至適条件の検討
高速スピンエコーによる撮像に際して決定すべきパラメータとしては,繰返し時間(TR),エコー時間(TE),エコー間隔,エコー数などがある.これらの組合せによる至適条件を,診断部位,目的とする病変,希望する空間解像度,T2強調度,検査時間の制約などの側面から比較検討した.
【研究代表者】