脳・腸ペプチド含有細胞の起源
【研究分野】植物形態・構造
【研究キーワード】
下垂体 / ヒキガエル / 前腸 / 分化 / モノクローナル抗体 / 嗅覚器官 / 側腺
【研究成果の概要】
ヒキガエル下垂体原基を抗原として、分化後の下垂体も認識するモノクローナル抗体を得た。この抗体は下垂体のほかに、味蕾、側線、嗅上皮、嗅球、膵臓等を認識した。次に、この抗体の抗原を同定するための実験を行った。ヒキガエル膵臓を材料として各種カラムクロマトグラフィーにより得られた画分を、抗体によりスクリーニングして行き、分子量約6万の物質を得た。そのアミノ酸配列を調べたところ、部分的にキケナーゼとの相同性があることが分かった。さらに上記抗体を用いて、下垂体原基が下垂体に分化する条件を検討した。すなわち下垂体原基を、脳および/または前腸と一緒に、あるいは単独で尾部に移植したり、下垂体原基と前腸の間、または下垂体原基と脳との間にポリカーボネート膜を挿入して、発生後に抗体で免疫染色することにより、下垂体原基が下垂体に分化する(抗原性を維持する)か否かを調べた。その結果、下垂体原基が内胚葉(前腸)と接することが、その分化に必要であることが分かった。一方、下垂体原基とともに移動して最終的に脳および腸にとどまるかにみえる細胞群がこの抗体では認識されず、したがってそれらの細胞が将来何になるかは解明できなかった。
【研究代表者】
【研究種目】萌芽的研究
【研究期間】1998 - 1999
【配分額】2,000千円 (直接経費: 2,000千円)