革新技術を駆使し骨髄臓器連関からアプローチする加齢性疾患発症と臓器老化機構の解明
【研究キーワード】
加齢性疾患 / 臓器老化 / 骨髄臓器連関 / 内科 / 幹細胞
【研究成果の概要】
骨髄老化による加齢性疾患発症や固形臓器老化の可能性検証を目的としている。
A.骨髄老化と加齢性慢性疾患発症進展メカニズムの解明:2腎臓病モデルで老化の影響を確認し骨髄移植実験の準備を進めた。BSA誘発膜性腎症、STZ誘発糖尿病モデルで加齢依存性発症進展を確認し、若齢老齢群の条件設定が完了した。研究分担者の開発した骨髄移植を用い若齢老齢骨髄×若齢老齢レシピエントの4 群作成での骨髄移植の条件設定を進めた。老齢骨髄移植を可能とするPVA培養液を用いた造血幹細胞の生体外増幅実験は国際共同で報告済みである。次年度以降、他の臓器疾患モデルへ展開し骨髄/臓器老化の臓器障害への関与を検証する。
プロジェクトB. ヒト骨髄移植患者コホートの形成・加齢性疾患発症の検証:プロジェクトAと関連したヒト疫学的検証を行う。同種骨髄移植実施後長期生着している患者コホートを形成し、ドナーレシピエント若年高齢の組み合わせで群分けし、各種の加齢性疾患の頻度、障害程度との関連性を検討する。骨髄バンクのドナー年齢制限が54歳以下で検討対象にはならないため、例外的に65歳まで可能とされる生体ドナーの高齢症例数を確認中である。コホート研究が困難な場合に備え文献的考察を進める。
プロジェクトC.骨髄移植を活用した高齢マウス臓器の若返り研究(補助プロジェクト):令和3年度までの国際共同(B)ではヒトドナー臓器不足を補う目的で、移植大国米国を含む国際共同研究として高齢ドナー腎臓の若返りを検証してきた。ヒトドナー移植腎組織のP16発現を加齢性指標とし、移植時組織では年齢と正の相関を確認した。ドナーレシピエント年齢ギャップと移植腎組織の加齢指標P16発現の変化、移植腎機能変化との関連性を検討したところ、ドナーレシピエント年齢ギャップの腎機能への影響を確認し、論文投稿中である。今後米国サンプルやマウスモデル実験へと展開する。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
錦井 秀和 | 筑波大学 | 医学医療系 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
山崎 聡 | 筑波大学 | 医学医療系 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)