HAMのHTLV-1感染細胞の異常形質を規定するゲノム・エピゲノム制御機構の解析
【研究キーワード】
HAM / HTLV-1 / エピゲノム / ゲノム変異 / クローン構造
【研究成果の概要】
HTLV-1関連脊髄症(HAM)におけるHTLV-1感染細胞の異常形質を規定するゲノム・エピゲノム制御機構の解明を目指した。まず我々はHAM患者におけるウイルスの変異情報を解明した(Cell Rep 2019)。また、HAM患者におけるHTLV-1感染細胞のクローナリティと体細胞変異の解析により、HAM患者はHTLV-1による白血病(ATL)の発症率が高く、特にATLに特徴的な体細胞変異を伴ってclonal expansionを来しているHTLV-1感染細胞を有するHAM患者は、ATLの発症リスクが極めて高いことを解明した(PNAS 2020)。
【研究の社会的意義】
本研究により得られたゲノム、エピゲノム、遺伝子発現、ウイルスデータを多層データとして統合し、HAM発症に至る異常を階層的に整理することで、HAM発症の根本原因の理解や、より効果的な治療法の開発に繋がる分子基盤が創出された。また、本研究により得られた知見はHAM患者におけるATL発症リスク診断法の確立という臨床的に重要な課題の解決に結びつく成果となった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
山岸 誠 | 東京大学 | 大学院新領域創成科学研究科 | 特任講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)